あまりに単純だったフランスW杯時の算出方法
ここで(A)×(B)×(C)×(D)×100という式に、1-1のドローに終わった日本代表対マリ戦の試合を当てはめていく。
まず勝ち点(A)は引き分けのため1ポイントが入る。試合の重要度(B)は親善試合のため1.0。対戦国間の強さは、マリが当時FIFAランク67位だったため200-67で133。これに÷100をすると1.33となる。大陸連盟間の強さは0.85なので、式にすると1×1.0×1.33×0.85×100。この場合は113.05となる。
ここで3月に行われたフランス(当時FIFAランク9位)対コロンビア(2-3)のポイントを出して比較してみる。3×1.0×1.91×0.995×100なので570ポイントをコロンビアは得たわけだ。同じ親善試合でもこれだけの差が出ることが一目瞭然だろう。
上の4つの値をかけた数値が各国際Aマッチで得たポイントとなる。ここから4年を12ヶ月ごとの4回に分け、期間内で得た数値を合計して、行った試合数から平均値を出す。
直近の12ヶ月ごとに獲得したポイントの割合は100%、50%、30%、20%する。つまり、一番最近の試合がより重視されることになる。
しかしこれまでのFIFAランキングはあてにならないという声も挙がっていた。それもそのはず、1998年フランスワールドカップ時のポイント算出方法は極めて簡単であり、どの対戦相手でも勝てば3点、引き分けで1点というリーグ戦のような感覚で行われていた。そのため実力差は完全に無視され、試合数をより多くこなした国がランキングの上位につけられるという異例なランク付けと化してしまった。
その恩恵を受けてか、当時の日本代表は同ランキングで9位という高順位につけるということができたわけだ。
その後、2度算出方法は改定され現在に至っている。上記したように実力差が無視されるようなランキングではなくなり、ファンの人がみても納得のいくような順位を示すことができたのである。それを受け、現在ではワールドカップの組み合わせ抽選時のポット分けに使用されるなど、重要度が増してきたわけだ。