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Jリーグ 7年前

開始12秒でまさかの失点。そのときマリノスに何が起きていたのか?

text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki

「失望するような内容」だが…

アンジ・ポスタコグルー
ルヴァン杯のFC東京戦はアンジェ・ポステコグルー監督も失望を隠さなかった試合内容だった【写真:舩木渉】

 杉本にしても、同じくルヴァン杯の新潟戦に続いて今季2試合目の公式戦出場だった。その新潟戦では「今のサッカーができるかどうか不安があった」というが、FC東京戦の前日練習を終えて「今回は自信を持って自分のプレーに集中できる。前は自分のプレーで精一杯だったところが、今回は試合の勝ち負けというか、全体にもっと目を配れる気がします」と手応えを感じていた。

 しかし、自らのミスが絡んでの立ち上がりの失点によって「残りの89分、すぐに切り替えることができなかった」。特に前半は不安定なプレーが続き、ポジショニングミスなどであわや失点という場面も作られた。FC東京戦で杉本が見つめ直すことになったのは「自分の弱さ」だった。

 ルヴァン杯では若手やリーグ戦で出場機会の少ない選手たちの底上げが求められる。西山が交代した後半、DF下平匠がセンターバックとしてプレーし、DF金井貢史とともに本来はサイドバックの選手が2人とも中央でプレーしなければならなかった。負傷離脱していたDF栗原勇蔵の復帰が近づいているとはいえ、特にセンターバックは若手の突き上げが選手層の拡充に直結する重要ポジションだ。

 GKもリーグ戦で傑出したパフォーマンスを発揮している飯倉大樹に万が一のことがあったとき、代役を安心して任せられる選手が必要になる。杉本には単なる控えGK以上の役割が期待されている。

 ポステコグルー監督は2-2のドローで終えたFC東京戦を「自分がサポーターだとして、前半を見たら選手たちにも失望するし、監督にも失望するような内容」と表現した。確かにその通りだろう。だが同時に、何人かの選手たちにとっては自らの「弱さ」を克服し、成長につなげるために重要な教訓を得られた試合だったに違いない。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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