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日本代表 7年前

「イメージが分からない」。監督交代で暗転…浅野拓磨、W杯絶望的も復活懸けた己との戦い【日本代表当落線上の男たち】

ロシアワールドカップ本大会まで約2ヶ月。日本代表はメンバー発表前最後の遠征を終えた。その後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の電撃解任もあってチームは岐路に立たされている。サッカー選手であれば誰もが憧れる夢の舞台に立てるかどうか、その当落線上にいる男たちは今、何を思うのか。今回は所属クラブの監督交代によって出場機会が激減し、ロシア行きが危うくなってしまったFW浅野拓磨の胸の内に迫った。

シリーズ:日本代表当落線上の男たち text by 元川悦子 photo by Getty Images

監督交代が全ての始まり。出場機会激減で苦境に

浅野拓磨
浅野拓磨は日本代表でロシアワールドカップに出場できるか。クラブでの出場機会の少なさはネックに【写真:Getty Images】

 2017年8月31日のオーストラリア戦(埼玉)で値千金の先制弾を叩き込み、ロシアワールドカップ出場権獲得に大きく貢献した浅野拓磨(シュトゥットガルト)。その後もコンスタントに日本代表に招集され、昨年11月のブラジル戦(リール)とベルギー戦(ブルージュ)では得点こそなかったが、悪くないパフォーマンスを見せていた。

 右FWは、久保裕也(ヘント)、本田圭佑(パチューカ)らによる熾烈なポジション争いが繰り広げられているが、この時点では浅野が一歩リードしていたのは間違いないだろう。

 ところが、ワールドカップイヤーの2018年に入り、シュトゥットガルトの指揮官がハネス・ヴォルフ監督からタイフン・コルクト監督に代わると、浅野を取り巻く状況が一気に暗転する。

 浅野がアーセナルからレンタル移籍した2015/16シーズン途中からチームを率いていたヴォルフ監督は、この若手FWの抜群のスピードや裏を突く動きの鋭さを買って左右のアウトサイドやFWの一角で起用していたが、コルクト監督は完全にストライカーの1人として位置づけたのだ。

「トレーニングのゲーム形式でも僕はずっとFW。スタメン組とサブ組でどういうトレーニングをするにしても絶対FWで、2トップでも1トップでもFWをやってます。サイドで使われたとしても、周りの選手よりできるという自信はありますけど、監督の中ではサイドのイメージがそんなにないのかなと感じます」と浅野も現状を率直に説明している。

 新体制のシュトゥットガルトの基本布陣は4-4-2だが、新指揮官が2トップに据えたのはマリオ・ゴメスとダニエル・ギンチェクというツインタワー。この采配が功を奏し、シュトゥットガルトは2月3日のヴォルフスブルク戦から3月31日のハンブルガーSV戦まで8戦無敗と急浮上している。

 4月8日のボルシア・ドルトムント戦は0-3で落としたものの、30試合終了時点で10位と悪くない順位につけている。これでは、スピードタイプの浅野が入り込む余地を見出すのは難しいだろう。

「今、僕が出るとしたらFWだと思うけど、監督の中でどういうイメージがあるのかは正直、分からないです。自分もイメージを持って試合に入ろうと準備してはいますけど、どういうプレーが求められるかというのは明確には変わらない。マリオ・ゴメスと組んだこともないので、難しいですね」と本人も宙ぶらりんな状況に苦悩している。

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