森岡がロシアで切り札となるか
ロシアワールドカップ本大会までの時間が限られているうえ、今月9日にハリルホジッチ監督解任という前代未聞の出来事が発生。西野朗監督率いる新たなチームが今後、どうなっていくかは未知数な情勢となった。選手にとってはより頭の痛い状況になったと言えるが、森岡としては常に高いレベルを見据えつつ、アンデルレヒトで可能な限りの飛躍を遂げること。当面はそこに集中していくしかない。
同じ攻撃的MFのポジションを争う香川真司(ドルトムント)や清武弘嗣(C大阪)が万全ではなく、ウクライナ戦で評価を上げた柴崎岳(ヘタフェ)もクラブで先発の座をつかめていないこともあって、森岡にかかる期待は大きい。代表でも「点の取れる攻撃的MF」という役割を任せられると新指揮官に判断されれば、彼がロシアでの切り札になる可能性も少なくないはずだ。
「3月の2連戦ではボールを奪えないから、みんなが守備で忙殺されてしまった。守りで動くのと攻めで動くのでは精神的ダメージが全く違う。クラブでは『奪ったらつなげる』という自信があるから頑張れるけど、代表はそこが薄い。圭佑(本田=パチューカ)君がウクライナ戦で落ち着かせてくれたように、ボール保持率を上げることは、今後の日本にとっての1つの解決策になると感じます。
新しい監督の下で、ロシアに向けた日本の戦い方がどうなるかはまだ分からないけど、3月の遠征で日本に善戦したマリのように、格下でも格上を脅かせるようなチームにならないといけない。それが大事だと思います」
自分なりに代表の改善策を模索しつつ、個人のレベルを上げるため前進を続ける森岡亮太。苦境に陥る欧州組が多い中、ベルギーで異彩を放ち続けるこの男は、今の代表にやはり必要なのではないだろうか。
(取材・文:元川悦子)
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