敵将は「負け試合」と認めたが…
15日に控えるJ1第8節のヴィッセル神戸戦に向けて、チームから「絶対に勝たなければいけない」という雰囲気が漂っていた。この試合を2戦勝ちなしで迎えた横浜F・マリノスは、もし神戸戦に敗れれば降格圏へ突入するの可能性もある状態にあった。
結果的にマリノスは8節終了時点で降格圏の16位に転落した。神戸の吉田孝行監督も試合後の記者会見で「完全に負け試合だったと思います」と認めるほど圧倒しながら、1-2で敗れた。
この敗戦において最も分かりやすい改善点は「2点目が取れない」ということだろう。今季のマリノスはリーグ戦8試合を終えて複数得点が一度もない。神戸戦も先制点を奪いながら、あっさりと逆転を許してしまった。前節のサンフレッチェ広島戦も同様の展開で敗れていたのは記憶に新しい。
アンジェ・ポステコグルー監督が標榜する「攻守に圧倒するサッカー」を徐々に表現できるようになりつつある中、シーズン開幕当初から「2点目、3点目をいかに奪うか」という大きなテーマが重しとなって動かない。
試合の流れを完全に支配し、毎試合のように対戦相手に「あれほどやられるとは…」という強烈な印象を刻みながらも、結果だけがついてこない。指揮官も「自分たちのサッカーの中で、一つだけ解決策を見い出せていないのがフィニッシュの部分」と珍しく本音が出た。
左サイドバックとしてマリノスのキーマンの1人となっている山中亮輔も「やっぱり(ゴールを)取る時に取らないとこういう展開になる。サッカーの難しさみたいなものを痛感させられた」と神戸戦の逆転負けを悔やんだ。
やはり「今日に関しては絶対に勝たなきゃいけなかった」と山中は語ったが、「やっている選手としても完全に自分たちのゲームだったと思う」だけに、先制点の後に畳み掛けられなかったことが最も大きな敗因と言えるゲームだった。