CL出場権獲得へ、いよいよ正念場を迎えるドルト
ひとまず打ち砕かれたのは、黒と黄色のプライドだけで済んだようだ。『シュポルト・ビルト』の情報によれば、試合後の夜にはレントゲン検査が行われ、くるぶしの骨折ではなかったという。また、月曜にも検査が行われ、靭帯損傷の可能性がチェックされるのだそうだ。
もっとも、試合後にバチュアイが松葉杖をついて歩いている様子は、おそらく軽症では済まないことを物語っている。チームを離脱したまま、今シーズンが終わる可能性は高い。残り4試合は、チェルシーからやって来た助っ人にはもはや頼れないだろう。
ドルトムントにとってあまりに大きな痛手だ。去就問題に揺れ、“旧エース”ピエール=エメリク・オーバメヤンを欠いた1月の3試合は、全てドローで終えている。タイプこそ違うが、バチュアイがオーバメヤンの後釜に座ったことで、ドルトムントは再び勝ち星を重ねていけるようになった。
デビュー戦となった2月2日の1.FCケルン戦や、3月のアイントラハト・フランクフルト戦、ハノーファー96戦など、バチュアイのゴールが無ければ勝ち切れなかった試合もいくつかある。
今から代わりのFWを獲得することはできない。かと言ってチーム内にバチュアイの代役を務められそうなFWも見当たらない。そもそもそんなFWがいるのなら、冬の移籍市場でバチュアイをレンタルで獲得する必要はなかった。
“新エース”抜きで今季の最終局面に突入するドルトムント。次節は現在3位のバイヤー・レバークーゼンとの対戦が控え、最終節の相手は6位のTSGホッフェンハイム。来季チャンピオンズリーグ出場権の確保に向けて、いよいよ正念場を迎えようとしている。
(取材・文:本田千尋【ドイツ】)
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