田嶋幸三会長(左)と西野朗新監督(右)【写真:田中伸弥】
ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督の解任を受け日本代表の新監督に就任した西野朗氏が12日、都内で記者会見を行った。
田嶋幸三会長は、選手との間に「コミュニケーションと信頼関係」に問題があったことがハリルホジッチ前監督の解任につながったと明かしていた。
しかし、今度は別のところに「コミュニケーション」の問題が起こっている。早くも田嶋会長と西野新監督の発言に矛盾が見られた。
田嶋会長はハリルホジッチ前監督の解任を伝える記者会見の中で、西野氏に新監督就任を打診した時期について「先週の前半です。名古屋で会いました」と述べた。この発言があったのは4月9日だったため、「先週の前半」が指すのは同月1日から4日頃にかけてと見られる。
一方、西野新監督は田嶋会長から日本代表監督就任オファーがあった時期について「先月の末に会長からは今回の打診をいただきました」と語った。
9日の記者会見で田嶋会長は「(ハリルホジッチ前監督と選手との)信頼がだんだん変わってきた、それが逆転してしまったのがマリ戦、ウクライナ戦だった」と述べていた。そのうえ3月のベルギー遠征を終えた時点で、西野氏は技術委員長としてハリルホジッチ体制のままワールドカップに向かうと明かしていた。
以上のことから、西野新監督が日本代表監督への就任を打診された時期として挙げた「先月の末」はベルギー遠征を終えた3月27日以降、同31日までの間と見られる。
田嶋会長が西野氏に日本代表監督就任を提案したのは「3月28日から31日の間」なのか、あるいは「4月1日から4日頃」なのか。すでに日本サッカーを司る2トップの証言が食い違っている。ワールドカップまで2ヶ月、日本代表は「コミュニケーションに問題」を抱えながらの再出発となりそうだ。
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