解任時期への疑問。日本代表の後退は明らかだが…
日本サッカー界の堅苦しい制約の中に、ヴァイッド・ハリルホジッチは最後まで完全に馴染みきれてはいない様子だった。代表監督として過ごした3年間の中で、退任が近いと噂されたことは何度かあった。
だがそれでも、サムライブルーがコロンビア代表と激突するワールドカップ初戦のわずか71日前にボスニア人指揮官を突然解任するのは衝撃的としか言いようがない。解任自体は納得できるかもしれないが、そのタイミングは全く別の話だ。
危なげなく落ちついた戦いで2-0の勝利を収めてロシア行きを決めた昨年8月31日のオーストラリア戦以来、日本代表が後退してきたことに疑いはない。だが指揮官の首をすげ替えるチャンスはとっくに過ぎ去ってしまっていた。
「1%でも2%でも、ワールドカップで勝つ可能性を追い求めていきたいと考えています。そのためにこの結論に達しました」
ハリルホジッチ監督解任という決断と、代役としての西野朗監督就任を発表した日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長はそう語った。
「新しい監督には内部からの昇格しかないと考えました。もっと前なら西野監督ではないこともあったかもしれない。この時期で、残り2ヶ月しかないということを考えると、この時期だからこそこの決断をしました」
ここで疑問が生じる。なぜもっと早く決断しなかったのだろうか?
田嶋会長の言葉からは、先日のマリ戦の1-1のドローとウクライナ戦の1-2の敗戦が最後のひと押しになったことがうかがえる。だが昨年10月のニュージーランド戦とハイチ戦で低調なパフォーマンスを見せた際にも同じ問題は明白だった。なぜその時に決断は下されなかったのだろうか。
ハリルホジッチ監督の周囲に摩擦が生じることは最初から予想できていた。2014年のブラジルワールドカップで「デザートフォックス」をベスト16に導きながらも、アルジェリアメディアとの関係は険悪なものとなっていたし、2010年のワールドカップ前にコートジボワール代表監督を解任された過去もあった(南アフリカでの初戦の108日前であり、今回の解任よりは早かった)。