ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の解任は本田圭佑にとってチャンスか?【写真:Getty Images】
日本サッカー協会(JFA)は4月9日、都内で記者会見を開き、ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督の解任を発表した。後任には技術委員長を務めていた西野朗氏が就く。
体制が一新したことで、これまで当落線上だった選手たちにはチャンスが巡ってきたとも考えられる。実績のある本田圭佑、香川真司、岡崎慎司らには再評価のチャンスとなり、逆転でロシアワールドカップのメンバー入りの可能性も出てきた。
ただ、難しい側面もある。新監督はわずか2ヶ月でのチーム構築を強いられる。あまりに時間がないなかで意識を統一させ、マネジメントする必要に迫られている。選手の意見を柔軟に聞き、また監督の意図を丁寧に伝える時間がない。
例えば、発言力のある本田が監督に意見すればどうなるだろうか。「異分子」ととらえられれば、メンバーに入れておく余裕はなくなる。まとまりやすいメンバーで戦う、という選択肢になっても不思議ではない。
だからといって新監督を責めることはできない。何より結果を重視しての監督交代。西野氏が戦いやすい状況を協会としては支持するほかない。もちろんこれは本田ら以外の選手にも言えること。強烈なトップダウンでチームづくりをする可能性は十分にあり、選手たちの自由はかなり制限されるだろう。
ハリルホジッチ前監督の解任理由の1つに「選手との摩擦」を田嶋幸三JFA会長はあげた。だが、誰もが必死に勝利に向かうなかで摩擦はあり得ること。そこを逆に糧とすることでチームは強化されていくところだが、本大会まで残された時間は約2ヶ月。日本代表は制約だらけのなかリスタートしなければならなくなった。見通しは暗い。
(取材・文:植田路生)
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