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香川真司 7年前

香川不在のドルト。流れを変えたまさかの…。払拭した大敗の悪夢と取り戻した自信

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ラッキーゴールで流れを引き寄せたドルト

 38分、プリシッチが右サイドから入れたクロスが、敵のGKロン=ロベルト・ツィーラーの手を掠め、そのままサイドネットに吸い込まれた。望外の先制弾。

 シュテーガー監督は「1-0で折り返せたのは少しばかりラッキーだった」と振り返った。

「それからロッカールームで我々は、何を変える必要があるか、話し合うことができた。ミュンヘンでの敗北の後の状況に対処するのは簡単ではない。だけど後半での我々のプレースタイルは本当に良かったね」

 アメリカ代表FWの「少しばかりラッキー」なゴールが、ミュンヘンでの“悪夢”を払拭し、ドルトムントは自信を取り戻していったようだ。

 ヌリ・シャヒンは言う。

「メンタルのフレッシュネスを修復するには、おそらく時にはあのようなゴールを決めることも必要だ。再び起き上がって、走り出すためにはね」

 48分、ペナルティエリアの手前でダフートからのパスを、バチュアイが軽やかなダイレクトプレーで左のシャヒンに叩く。ベルギー代表FWはそのままゴール前に走りこんで、シャヒンからの折り返しを左足で合わせ、後半開始早々に追加点を奪う。

 敵のFWダニエル・ギンチェクは、次のように振り返っている。

「どのようにしてそうなったか誰も説明できないゴールがあった。それから我々は崩壊し、もはや守備のコントロールを維持できなかった。さらに2点目が入ってしまうと、本当に難しくなったね」

 後半に入ると、敵陣での細かいパス交換も増え、試合のペースを握っていったドルトムント。59分にはフィリップがダメ押しの3点目を決める。終わってみれば3-0での快勝となった。

 順位は3位と前節から変わらないが、2位のFCシャルケ04との勝ち点差は、わずか1となった。次週の“レヴィア・ダービー”に向けて、“自信”を取り戻した。

 プリシッチの“ラッキーパンチ”がチームを救った、シュトゥットガルト戦だった。

(取材・文:本田千尋【ドイツ】)

【了】

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