「結局、1本取ればいいんですよ。大事な場面で」
日本代表入りに向けてもアピールしたい本田圭佑【写真:Getty Images】
半年ぶりに復帰した日本代表のベルギー遠征ではヴァイッド・ハリルホジッチ監督の縦に速く攻める基本スタイルを理解しながら、そこに自分なりの良さを取り込んでいくことで、ゴールの可能性を高めていく姿を思い描いていた。
「(走って裏を狙うのは)もともと得意ではない。チームとしてはできるだけ取り組んでいきたいという監督の意図は分かるし、それが怖さになるというイメージでの飛び出しですけど、大事なのは絵の描き方。誰が、どこに、どのタイミングでというものが当然ながら大事になる」
基本的に裏をどんどん狙っていくプレーは自身の本分ではないことを認めながら「確かに僕がこれまで点を取ってきた時も意外に裏に抜け出ていたし、結局、1本取ればいいんですよ。大事な場面で」と語っていた本田。
日本代表の2試合では、途中出場のマリ戦で小林悠のクロスに走り込み、相手ディフェンスに跳ね返されたこぼれ球から同点ゴールにつながったが、右サイドハーフで先発したウクライナ戦ではゴール前で決定的な仕事ができないまま64分に久保裕也と交代させられた。
「最初の布石が後半より生きてくる場面での交代だったのは悔しい。監督にもっと見てみたいと思わせられなかった自分に非があるというのはわかっています」
そう語っていた本田。ワールドカップに向けた最終選考までの残された期間はパチューカで自らの力を示していくしかない。
日本代表と基本スタイルが異なり、この日のポジションはインサイドのトップ下ではあったが、その中で本田は自分の持ち味を出しつつ、縦を狙う意識で前半の早い時間に結果を出し、さらにミドルシュートでも追加点を奪ってみせた。結果を残し、パチューカをプレーオフに導くことで、さらにチャンスを引き寄せられるか。本田の挑戦は続く。
(文:河治良幸)
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