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Jリーグ 7年前

広島・城福監督が称賛した工藤壮人。ノーゴールの「背番号9」が果たした大きな役割

text by 藤江直人 photo by Getty Images for DAZN

昨季は不完全燃焼に終わった

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昨季は、9月以降の10試合で一度もベンチに入ることがなかった【写真:Getty Images for DAZN】

「はっきり言って、綺麗な勝ち方ではないと思います。選手全員の雰囲気はすごくいいんですけど、どこかすっきりしないというか、チーム全体としてクオリティーをもっと上げなきゃいけない部分があるので。ただ、局部的な戦いでは、ハードワークという意味で共通意識をもってやれている。

 今日も相手のエドゥアルド・ネットのところで食える、という感覚があったし、彼もイライラしてきた部分があった。ボールの取りどころがはっきりしていたことで、一気に畳みかけることもできた。みんなの頑張りがあったからこそ、最後にご褒美が来たんじゃないかという感じはありますね」

 ご褒美とはこぼれ球が相手選手に当たり、目の前に転がってきた幸運を逃さずに蹴り込んだ85分のパトリックの決勝弾であり、誤審にも映るオフサイドで取り消された後半終了間際のフロンターレの同点弾であり、6分間の同アディショナルタイムを守り切っての勝利となる。

 アメリカのメジャーリーグサッカー、バンクーバー・ホワイトキャップスから完全移籍で加入して2年目。開幕直後から降格圏をさまよい、サンフレッチェを3度のJ1制覇に導いた森保一監督(現U-21日本代表監督)が責任を取る形で退任した昨シーズンは、不完全燃焼の思いとともに幕を閉じた。

 7月から指揮を執ったヤン・ヨンソン監督(現清水エスパルス監督)は、まずは負けない戦い方を標榜。前線はパトリックの1トップとなり、最も大きな「50番」を背負った工藤自身は、J1残留へ向けて胸突き八丁となった9月以降の10試合で一度もベンチに入ることはなかった。

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