バイエルンと競ったのは過去。積み上げたものはもうない
10/11シーズンと11/12シーズンのリーガ2連覇に始まり、12/13シーズンにはバイエルンとチャンピオンズリーグ(CL)決勝の舞台で並ぶなど、ここ数年間はドイツで“ナンバー2”の座に君臨してきたドルトムント。だが今回のバイエルン戦の前半だけで、もはやチームはその称号に相応しくないことを証明してしまった。
そもそも、かたやヨーロッパリーグのベスト16で姿を消し、かたやCLのベスト8に駒を進めている。両チームのパフォーマンスに差がつくのは、当然と言えば当然だ。それでもDFBポカールの3回戦で1-2と食らい付いた時のような迫力は、ドルトムントになかった。向こう見ずな[4-2-3-1]で敵陣に入ってボールを回そうとすれば、バイエルンのカウンターの餌食になるだけだった。
前半の終了間際にはレバンドフスキとリベリーのゴールで2失点。さらに後半に入っても、ドルトムントの選手たちは状況を打開することができない。そうこうする内に試合終了間際の87分、レバンドフスキがハットトリックを達成する。
ユルゲン・クロップが旋風を巻き起こして以来、近年に積み上げてきたものが、粉々に砕け散ったバイエルン戦だった。
(取材・文:本田千尋【ドイツ】)
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