勇敢さをはき違え、絶対王者に真っ向勝負
もはや“ナンバー2”は見せかけの称号に過ぎない。3月31日に行われたブンデスリーガ第28節、アウェイでバイエルン・ミュンヘンに挑んだボルシア・ドルトムント。王者の力に屈し、無残な姿を衆目に晒すことになった。
立ち上がりから圧倒された。5分、マルセル・シュメルツァーがマリオ・ゲッツェにスローイン。すかさずアリエン・ロッベン、ハビ・マルティネス、ジェローム・ボアテングに囲まれるゲッツェ。奪われたボールは、ペナルティエリア目掛けて走るトーマス・ミュラーに渡る。さらにミュラーがロベルト・レバンドフスキにスルーパス。ポーランド代表の絶対的エースは、フェイントでGKロマン・ビュルキを外すと、右足でボールをゴールに蹴り込んだ。昨年12月に行われたDFBポカール3回戦での対戦時と何ら変わらず、ドルトムントは早い時間帯での失点を繰り返した。
試合後、敵将ユップ・ハインケスは次のように述べている。
「リズムを見出すという点で、しばしば代表ウィーク明けは難しいものだ。そのことに関して我々は良くやった。チームは試合開始から本当に集中していたね」
バイエルンは「本当に集中していた」。「試合開始から」勝敗を決めにきていた。さらに14分、ハメス・ロドリゲスに追加点を奪われるドルトムント。開始15分で2点のビハインドを負う。完全に「リズム」を掴み損ねていた。
「我々は5バックではプレーしないだろう」と明言していたように、ペーター・シュテーガー監督は[4-2-3-1]の布陣を採用。そして決して自陣にこもろうとしない姿勢は、勇敢というよりは、少し正直に過ぎたかもしれない。
23分、敵陣に入ってボールを回そうとすると、ゴンサロ・カストロがセンターサークルの中でハメスにボールを奪われ、カウンターを仕掛けられる。レバンドフスキから再びボールを貰ったコロンビア代表のエースは、ペナルティエリアの左から緩やかに折り返すと、ファーでミュラーが押し込んで3点目。力の差を、まざまざと見せつけられた。まだ前半の半ばだが、接戦にも持ち込めそうにない。