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大津祐樹、ついに横浜FMデビュー。敵地へ駆けつけたファンに感謝「暖かい声援感じた」

text by 編集部 photo by Wataru Funaki

大津祐樹
大津祐樹が横浜F・マリノスの選手として公式戦デビューを飾った(写真は新体制発表会見でのもの)【写真:舩木渉】

 明治安田生命J1リーグ第5節が31日に開催され、横浜F・マリノスが清水エスパルスに1-0で勝利を収めた。

 これまで比較的メンバーを固定して戦ってきた横浜FMは、清水戦で2人の新戦力を先発起用でデビューさせた。シーズン開幕後に加入したカメルーン代表FWオリヴィエ・ブマルは右ウィングに、始動直後から負傷離脱していたFW大津祐樹はトップ下に入った。

 大津は石垣島で行われた1次キャンプの3日目の練習で負傷し、左ひざ内側側副じん帯損傷によって全治4〜6週間の見込みと診断されていた。新体制発表会見で「中途半端な覚悟で移籍はしてきていない。もちろんこのチームを背負っていけるプレーヤーになるつもりでいる」と語っていた中での痛恨の負傷離脱だった。

 その後は慎重にリハビリを続け、2月下旬からボールを使ったメニューを消化。3月中旬に全体練習への合流を果たし、18日の浦和レッズ戦後の中断期間中から紅白戦でも主力組に入るようになった。アンジェ・ポステコグルー監督もかねてより「代表ウィーク後」の完全復帰を示唆しており、清水戦でようやく横浜FMの選手としてデビューを飾った。

 負傷した左ひざは「問題なくプレーできています」と語った新背番号9は、吉尾海夏と交代するまで72分間ピッチに立った。試合後には「すごく暖かい声援を感じられたので、選手としてはやりやすい環境を作ってくれた。アウェイにもかかわらずたくさんの人が来てくれていたし、そういう面ですごくいいクラブだなと改めて実感しました」と、清水まで駆けつけたファン・サポーターに感謝を述べていた。

 交代直前の71分には、コーナーキックからMF扇原貴宏が頭で落としたボールを胸でコントロールして右足でバイシクルシュートを放った大津。これは惜しくも外れてしまったが「ダイレクトでヘディングを打てないなと、あの時に思ったので、胸で上にあげてバイシクルを狙った」と確信を持った一発だったことも明かした。

 シュートのタイミングと感触は良く「入れば良かったですけどね(笑)」とはにかむ。攻守に体を張ったプレーも多く、出場時間以外で負傷の影響は感じられず。ポステコグルー監督も「前への動きが良かった」と柏レイソルから加入したアタッカーの出来に満足している様子だった。

 大津は「トップ下の選手はフリーランを増やしていったら、このチームはもっと回るんじゃないかなと思っていたので、それを意識して今日はプレーしていました。今日やった中でもすごくいい部分があった」と、自分なりに課題と成果を見つけながらトライを続けている。

 横浜FMは清水戦から週に2試合ペースで15連戦に突入する。そのタイミングで心強い戦力が新天地での第一歩を踏み出した。大津のパフォーマンスが周りの選手たちに新たな競争を生み、チーム全体を活性化させるかもしれない。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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