香川やロイス不在も、前回対戦時にいなかった切り札が
だが、今回は違う。それから年が明け、冬の移籍市場でアーセナルFCに移籍したオーバメヤンの替わりに、レンタルでミチ・バチュアイが加入。ベルギー代表FWは、チェルシーFCでの鬱屈を晴らすかのように、ここまでブンデスリーガ7試合で6ゴール1アシストと結果を残してきた。新たな“エースFW”の存在は、前回とは違った戦略を、とりわけカウンター時に、シュテーガー監督に可能とするだろう。
もちろん負傷でマルコ・ロイス、香川といった「クオリティ」を欠くので、万全の状態でバイエルンに挑めるわけではない。対する王者はマヌエル・ノイアー、キングスレイ・コマン、フアン・ベルナト、アルトゥーロ・ビダルを欠くが、大勢に影響はないだろう。たとえシャルケがフライブルクに勝ったとしても、さらに優勝に近づくため、貪欲に勝利を追い求めてくるはずだ。
来季チャンピオンズリーグの出場権の獲得を目指すドルトムントとすれば、バイエルンから勝ち点を奪うことは、大きな意味を持つだろう。敵の本拠地で“戴冠”を阻止すれば、今季のラストスパートに、これ以上ない弾みがつくはずだ。
(取材・文:本田千尋【ドイツ】)
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