攻撃陣は好調も、課題は守備面に
また、今回のテストマッチでセビージャで好調のFWウィサム・ベン・イェデルも代表デビューを飾った。
コロンビア戦の残り20分だけの出場だったが、チャンピオンズリーグのラウンド16、対マンチェスター・ユナイテッド戦で72分から出場して、6分間でドカンドカンと2点をさらってしまったあのプレーは強烈だった。強心臓であることは間違いないから、ジョーカー役には適任かもしれない。
一方、課題となるのは守備面だ。
2-3で逆転負けしたコロンビア戦だけでなく、1-3で勝利を収めたロシア戦でも、GKウーゴ・ロリスの好セーブに救われた際どいシーンが何度もあった。
要となるセンターバックは、コロンビア戦ではサムエル・ウムティティとラファエル・ヴァラン、ロシア戦はウムティティとロラン・コシエルニーのコンビが先発した。
おそらくここにプレスニル・キンペンベを加えた4人がロシア行きの23人に呼ばれると思われるが、ヴァランはコロンビア戦でも対人プレーで競り負けていた場面が目につき、ウムティティもポジショニングが微妙で相手の進入を許すなど、今回のテストマッチでは盤石とは言えない守りだった。
もとより両サイドバックは人材が乏しい現フランス代表なので、守備面の立て直しは本戦までの重要な課題となる。
また今回は、所属するマンチェスター・ユナイテッドで燻っているポール・ポグバにも注目が集まった。
怪我で出場できない時を除いて、ポグバを常に起用していたデシャン監督は、本人と一対一で長い会話をもったと明かし、「(ポグバを含む)選手たちがベストなコンディションで代表でプレーできるようにもっていくのは私の役割。ポグバのこともしっかり見ている」と信頼は変わっていないことを指揮官は強調した。
コロンビア戦ではベンチスタートで、65分にブレイズ・マテュイディと交代してピッチに上がった。後半戦のフランスはダレていたから、「ここらで喝が欲しい!」というタイミングでの投入だったが、『レ・ブルーのモーター役』であったはずの彼らしい機動力を発揮できず、残りの25分間、存在感も効力も乏しかった。
先発フル出場したロシア戦では、ムバッペの先制点をセッティングし、後半、自ら直接FKからゴールを決めてやや面目躍如。
パフォーマンス全体としては、実力が存分に発揮できていたとまではいかないが、リズムを取り戻せた様子だったのは朗報。彼が勢いづくとフランス代表も乗れるのだ。