ポーランド攻略法:中盤の競り合い、そして守備陣のスピード不足
ポーランドのストロングポイントは何よりも決定力だ。相手のミスを見逃さない冷静さはワールドクラスそのものだった。言わずと知れたレバンドフスキを中心とした展開も見ものだった。彼がいるからこその戦い方だろうが、ワールドクラスのストライカーがいるだけで前線の厚みが全く異なってくる。
決勝ゴールを決めたジエリンスキやグロシツキはもちろん、バックアップに負傷から復調途中のアルカディウシュ・ミリク(ナポリ)が構えているのは恐怖に近い。
だがこの試合でポーランドも課題を露呈した。韓国の速い攻撃、そして裏へ抜ける動きに対応しきれない場面が多々あった。前半、ソン・フンミンやイ・ジェソンのシュートシーンはミドルサードで韓国が素早くプレスをかけ、相手の裏に抜ける選手に的確なパスを配球して生まれたものだった。スピードがそれほど足の速くない守備ラインは韓国のスピードに苦戦していた。
韓国の同点ゴールもこの動きから生まれた。ソン・フンミンからのパス1本、そしてパク・チュホが裏に抜けるだけで守備ラインに立っていた4人が一瞬フリーズした。空いたスペースにファン・ヒチャンが切り込み、折り返しのパスをゴールにできた。
もちろん後半最後のメンバーはポーランドにとってもベストメンバーではない。とはいえ、こういったシンプルな動きで裏に抜けられる場面が試合を通して出たことは、ロシアワールドカップのグループリーグでポーランドと対戦する日本にとってもチャンスメイクの糸口になるはずだ。
(文:キム・ドンヒョン【韓国】)
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