ウクライナが見出した日本攻略法
特にウクライナは、立ち上がりこそノーマルな4-1-4-1で入っていましたが、日本が人についてくる守り方をするので、途中から中盤のインサイドハーフが外に開くように攻撃のパターンを変えてきました。
インサイドハーフの2人が開くことによって山口(蛍)選手と長谷部(誠)選手がそれについていくので、意図的に真ん中にスペースを作ることができます。一方、日本はそのまま守備戦術を変えず、試合終盤までずっと同じやり方でした。
中盤が開いてFWが中に入ってくることで、山口選手と長谷部選手の2人の間をパスが通るシーンが何度もありました。同じようなシーンは昨年11月のブラジル戦やベルギー戦の時もありましたが、日本の守備のやり方では簡単に中央を割られてしまいます。
最も危険など真ん中をパスが通るということは、その瞬間チーム全体が中央を締めなければいけないので、今度は外も空いてしまいます。すると相手が優位な状況になります。日本の今の守備のやり方を変えないようであれば、ウクライナがやったような崩し方は、ワールドカップになればどの対戦相手もやってくるだろうと思います。
中盤が開いて1トップが落ちてくる。それによって日本のセンターバックが食いついたところに、サイドから斜めに入ってくるというのは、しっかりとスカウティングすれば一番攻めやすい形になるのではないでしょうか。
人を捕まえる守備をすると相手によって動かされるのは当然ですが、それ自体をノーと言ってしまうのはまた違います。。サッカーに正解はないので、今の日本の守備にメリットがあると思う人もいれば、デメリットが多いと思う人もいます。だから今のハリルホジッチ監督のやり方が悪いわけではないんです。これが良いのか悪いのかの判定は誰にもできません。
ただ、前回のベルギー遠征からブラジル、ベルギー、マリ、ウクライナと戦って、試合の中で守備のやり方を変える素振りが全くないので、ハリルホジッチ監督はこのやり方でいくというのはある程度決めているのだろうと見ています。
人についていく守備にはデメリットもあれば、メリットも当然あります。そのメリットは日本の方がチームでも個人の能力でも強いアジアの大会で出やすくなります。どんなやり方でもヨーロッパとやった時にデメリットが出やすくなるので、このデメリットの部分をどうするかが鍵になるのではないでしょうか。