ウクライナ戦で背番号4の存在価値を証明できるか
傑出した発信力を持つ31歳のベテランアタッカーが若い世代の意識をガラリと変えることができれば、日本代表を取り巻く状況も確実に変わるはず。ハリルホジッチ監督の指示に戸惑いや不安、違和感を覚える選手が増えている現状ならばなおさらだ。
もちろん守備を担う長谷部や長友がチームを一枚岩にしようと努力しているのは事実だが、攻撃陣でも核となる選手が必要なのは確か。マリ戦では本田が登場してから、山口蛍(C大阪)、酒井高徳らが右サイドでボールを回し、相手をおびき寄せてから背後を突くこうという狙いが見られ、ポジティブな雰囲気が漂った。これは特筆に値する点だ。
それでも指揮官は「前に蹴れ、蹴れ」と指示を出し続け、中島にボールを集めようとしたが、それだけで得点を奪うことは難しい。やはり本田のようにプレーにメリハリをつけながら攻守両面を考えられる存在は必要なのだ。
存在価値を再認識させるためにも、ウクライナ戦での本田の一挙手一投足に改めて期待がかかる。右サイドのアタッカーである以上、ゴールに直結するプレーが強く求めらるが、それ以外のオフ・ザ・ピッチでの仕事を含め、背番号4がどのような影響をチームにもたらすかが気になるところだ。
本当に今、本田圭佑がハリルジャパンに不可欠な存在なのか否か。次のゲームはそこを判断する重要な試金石になると言っていい。かつてのエースの意地とプライドに賭けて、この男には、個人もチームも劇的に変えるようなインパクトを残してほしい。
(取材・文:元川悦子【リエージュ】)
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