本田が「全部やる」。勝利のために全身全霊
低調な内容に終始した23日のマリ戦(リエージュ)は1-1で引き分けるのが精一杯だった日本代表。同じスタッド・モーリス・デュフランで行われる27日のウクライナ戦は停滞感と不安感を一掃するための重要な一戦だ。
2ヶ月半後に迫った2018年ロシアワールドカップ本大会まで残り4試合。今回こそ手ごたえを得られなければ、チームがさらなる負のスパイラルに陥る可能性が高い。ここは是が非でも白星を掴むことが必要だ。
今後の成否を左右するゲームを2日後に控え、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は25日、スタンダール・リエージュの練習場で合宿最後のトレーニングを行った。これまでの極寒が嘘のようなポカポカ陽気に恵まれる中、選手たちは非公開で戦術確認に取り組んだ。
この日は大迫勇也(ケルン)が右内転筋に痛みを訴えて別メニュー。右ひざ痛の宇賀神友弥(浦和)もホテルで調整となった。マリ戦で左ふくらはぎを痛めた大島僚太(川崎F)は室内練習のみを消化。彼ら3人の次戦出場は厳しくなった。
一方で、ここまで別メニューが続いていた遠藤航(浦和)は冒頭のランニングやウォーミングアップに参加しており、試合出場の可能性が出てきた。前回45分間のみ出場の酒井高徳(ハンブルガーSV)、出番のなかった植田直通(鹿島)含め、誰を右サイドバックで起用するのかは指揮官の頭を悩ませるところだ。
そんな中、本田圭佑(パチューカ)が昨年9月のアジア最終予選・サウジアラビア戦(ジェッダ)以来の先発出場を果たすか否かは、ウクライナ戦の大きな注目点。マリ戦では70分から出場しながら、中島翔哉(ポルティモネンセ)の同点弾直前に小林悠(川崎F)のクロスに飛び込む場面くらいしかチャンスに絡めなかった。
このままでは「キャリアの集大成」と位置づけるロシア行きを現実にするのは難しいかもしれない。絶対に生き残りたいのであれば、ウクライナ戦で強烈なインパクトを残すしかない。それは背番号4自身も痛感している点だ。
「ウクライナがマリより強いのは明らかだし、向こうは勝者のメンタリティを持っている(アンドリー・)シェフチェンコが監督をやっているんで、どんな相手でも全力で来るのは間違いない。基本的に向こうが整うまでに奪いたいと思うし、ビルドアップの段階で起点にならないといけない。最後のところでは仕留めるプレーを最低数回出さないといけないし、守備、ビルドアップ、仕留めるところを全部やっていかないといけないと思います」と本田は多彩なタスクをこなして勝利の原動力になろうと闘志を燃やしている。