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日本代表 7年前

ハリルの指示「聞きすぎ」で混乱。酒井高「監督はピッチで助けてくれない」。求められる自己解決力

text by 元川悦子 photo by Getty Images

今こそ求められる選手たちの自己解決能力

 実際、マリ戦では中島が投入された60分以降、指揮官は「左にロングボールを蹴り出せ」と口を酸っぱくして言うようになった。これには多くの選手が戸惑った。マリは前半ほどのハイラインではなかったから、単純に蹴り出しても守備の網に引っかかるだけ。「自分たち右サイドは時間を作りながらやっていこうと話をしていたけど、『蹴れ蹴れ』って指示が飛んでいて、僕らの思惑との食い違いがあった。全部が全部それではムリだと思った」と山口も強い違和感を覚えたという。

 そういう時こそ、酒井高徳が言う「監督はピッチでは助けてくれない」という言葉に立ち返るべきではないか。

 原口も「守備にしても、ハリル監督はどこの位置からプレスに行ってもいいという話をしている。前から行ってもいいし、引いて守る時間があってもいい。もっと自分たちでイニシアティブを取っていいって監督は言ってますよ」と話したが、指揮官の戦術やサッカースタイルを尊重しつつも、選手自身の判断を大事にして戦うところから始めた方が、日本は今の停滞感を打破できるのかもしれない。

 今こそ、ロンドン五輪世代がその主たる担い手にならなければいけない。そういう時期に来ているのは確かだ。本番前まで混乱が続いた2010年南アフリカワールドカップも、中澤佑二(横浜FM)から長谷部にキャプテンが代わり、松井大輔(横浜FC)や阿部勇樹(浦和)、大久保嘉人(川崎F)といった20代後半の面々が奮闘したことでチームが変わった。

 それを再現すべく、今の中堅世代にはより一層の奮起がを求められるところ。ウクライナ戦で彼らがチームを引っ張れるか否かに注目していきたい。

(取材・文:元川悦子【リエージュ】)

【了】

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