指揮官が目を見張る成長。負傷癖だけがネックに…
前半の攻守に渡る良いリズムをもたらしていた中でのアクシデントだった。23日のマリ戦開始から30分を経過したところで大島僚太に異変が起こる。森岡亮太からボールを受け、槙野智章にパスした直後に歩揺がおかしくなると、しばらくしてピッチに座り込んだ。違和感が発生したのは左足のふくらはぎだった。
「そんなにひどくはないけど大事を取って」と振り返るが、昨年に行われたEAFF E-1サッカー選手権(E-1)の中国戦での左太もも負傷に続く前半途中でのアクシデントだけに、「怪我については無駄だと思いますし、これで離脱をするようなことがあると、積み上げてきたものというか、怪我が治ってからやってきたものがちょっと残念なことになる」と苦しい心境を明かした。
今後のことはメディカルスタッフの診断を確認しながら相談とのことだが「なるべく離脱しないようにとは思います」と大島。これまでクラブでも何度か筋肉系の負傷に悩まされており、E-1に先立つ昨年の欧州遠征も怪我で選考の対象外となっていた。今回の合宿でもヴァイッド・ハリルホジッチ監督から開口一番に筋肉系の怪我に注意するよう指摘されたという。
マリ戦の前日会見で「就任当初追いかけていた大島よりはるかに発展している」と評価していた指揮官としても悩ましい状況かもしれない。負傷交代までの34分間は“大島を中心に回っていた”と言っても過言ではないほど、守備でのプレッシャーから攻撃の起点としてのプレー、バランスワークと良い循環を生んでいたからだ。
「まだ思い通りになってない部分もあるかなとは思うんですけど、なるべくチームとしてコンパクトに守るところ、攻撃で前からいくところとかはハッキリさせておかないと後手を踏むと思うので、そこは意識できていた部分もあった」
そう振り返る大島。目についたのは声だけでなく、身振り手振りで周囲の選手を動かすコーチングだ。自分がボールを受けようとするだけでなく、相手のディフェンスを誘導しながらパスコースを作り、ボランチの相棒である長谷部誠に前を向くスペースをもたらした。大島にボールが集中していたわけではないが、流れに応じて的確なポジションを取り、ボールを受ければ正確に捌ける大島の存在が、前半のハリルジャパンのパスワークに良いリズムをもたらしていた。