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日本代表 7年前

ハリルJ、テストしすぎで完成度上がらず。長谷部・長友も警鐘、南ア大会前のような危機的状況に

日本代表は23日、国際親善試合でマリ代表と1-1のドローを演じた。最終盤まで敗戦の危機に晒された一戦で露呈したのは、日本の完成度の低さだった。ロシアワールドカップまで残り時間が短い中、代表歴の長いベテランたちは揃って危機感を口にする。この苦境を脱するためには何が必要なのだろうか。(取材・文:元川悦子【リエージュ】)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

重くのしかかったPKの失点。後半も流れ悪く…

宇賀神友弥
代表デビュー戦の宇賀神友弥の軽率なプレーが不要な失点と逆境をもたらした【写真:Getty Images】

 仮想・セネガルを掲げた23日のマリ戦(リエージュ)で、日本代表には勝利が義務づけられていたはずだった。

 欧州組を含めたメンバーで勝利したのは昨年10月のニュージーランド戦(豊田)が最後。11月のブラジル(リール)・ベルギー(ブルージュ)2連戦は黒星を喫し、国内組だけで戦った12月のEAFF E-1サッカー選手権(E-1=東京)でも宿敵・韓国に惨敗しているだけに、悪い流れを断ち切ることが最重要テーマだったからだ。

 GKに中村航輔(柏)、右サイドバックに宇賀神友弥(浦和)、ボランチに大島僚太(川崎F)、左FWに宇佐美貴史(デュッセルドルフ)というフレッシュな面々を加えたスタメンで挑んだ序盤は悪くなかった。

 宇佐美の左からの浮き球のパスに久保裕也(ヘント)が右から飛び出して右足を合わせた10分の決定機を皮切りに、日本は相手ゴールに果敢に迫る。12分には宇佐美が得意のドリブルから中に切れ込んでシュートを放ち、24分には大島が強烈ミドルをお見舞いする。直後には宇佐美の右コーナーキックから大迫勇也(ケルン)が頭で落としてファーに槙野智章(浦和)が飛び込むなど、1点が生まれそうな雰囲気が漂った。

 ところが、大島がE-1の中国戦に続いて負傷。34分に山口蛍(C大阪)との交代を強いられると攻めのリズムが微妙に狂い始める。ネガティブな流れに追い討ちをかけたのが、前半終了間際に宇賀神が与えたPKだ。

 地元スタンダール・リエージュ所属のムサ・ジェネポ(19番)がこぼれ球に先に反応したところを蹴りにいく形になり、PKで手痛い1点を献上してしまったのだ。「アフリカの選手はああいうところで伸びてくるっていうのを自分はあまり体験してこなかった。そのワンシーンはホントに経験不足だった」と30歳の誕生日に初キャップを飾った男は悔しさをにじませるしかなかった。この失点は日本に重くのしかかった。

 後半に入るとマリのギアが一気に上がり、日本は攻めの推進力を出せなくなった。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は中島翔哉(ポルティモネンセ)、小林悠(川崎F)といったカードを次々と起用。4-2-3-1から4-4-2へ布陣変更し、さらには本田圭佑(パチューカ)も投入して苦境打開を図ったが、逆に相手に押し込まれ、シュートに至る場面が作れないまま時間が刻一刻と過ぎていく。

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