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日本代表 7年前

【西部の目】手の内を見せる必要はないが・・・。ハリルJ、このままならセネガル戦勝ち目なし

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

覚束ないビルドアップ

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明るい材料は中島翔哉のみ【写真:Getty Images】

 一発のある宇佐美、クリエイターとしての森岡、パスワークの軸になれる大島の起用は、攻撃的な人選といえる。これまで強調していた「縦に速い攻撃」というよりも、少しタメを作りながら仕掛けていくための人選であり、実際にそのように攻撃していた。一時はやめていた4-4-2の守備ブロックを復活させたのも攻撃優先ということなのだろう。

 長谷部は相変わらずの安定感で、大島との連係も悪くない。宇佐美と長友の左サイドからは何度か鋭い仕掛けができていた。ただ、槙野と昌子のセンターバックコンビではビルドアップがスムーズにいかない。吉田が入れば良くなるとは思うが、マリ戦に関してはビルドアップ段階でのミスが目立った。大島と長谷部がいなくなってからは、大迫へのロングボールに頼らざるを得ないありさま。そのロングボールの質も不安定。

 右サイドバックで起用された宇賀神には不安感しか残らず、森岡も守備面のマイナスを上回るほど攻撃での違いを作り出すには至らず。中盤が作れない状況になってから登場した本田は何もできずに終わってしまった。宇佐美はこの段階でも示したのは片鱗にすぎない。

 大迫のポストプレーは発見ではなく、長谷部と長友は格を示したとはいえこれも収穫というにはあたらない。大島は持ち味を出したものの、またも負傷のため前半途中で退いた。

 唯一、明るい材料は中島だった。長身で足の長い相手に、あの小さな歩幅のドリブルは利く。ロスタイムのゴールも自らの小回りの利いたターンから始まっていた。

 この時期の強化試合にすべてを出す必要はない。単純にアフリカのフィジカルにどう対処するかだけが焦点だったのかもしれない。ただ、その点でも満足のいくプレーぶりではなかった。つまり、このままなら勝てないことがわかったというだけの試合である。

(取材・文:西部謙司)

【了】

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