中途半端だった守備
セネガルを封じるにはマネを抑えなければならない。あの驚異的なスピードで裏へ走られたらまず一巻の終わりである。やり方としては、ディフェンスライン裏のスペースを消すか、逆にすべてオフサイドに仕留める覚悟を固めるか。しかし、マリ戦の日本はそのどちらでもなかった。
通常どおりのミドルプレスから機をみてハイプレスに切り替えるという守備。そして中途半端なプレスは軽くマリの選手にかわされて自ら傷口を広げていた。もし、ハイプレスを予定していたなら、あの人選はない。森岡と宇佐美を先発させ、大島まで使っているのだ。ハイプレスが機能するような顔ぶれではなく、プレスを外されて自由に高いラインの裏を使われるのは目に見えている。
では、引いて裏のスペースを消すつもりだったかといえば、それにしては無闇に高い位置からプレスに行き過ぎのうえにラインも高すぎる。マリ戦の守備戦術がセネガルを想定したものだったとしたら、使えないことがはっきりしたとしか言えない。作戦を変えるか人選を変えるかになるだろう。
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