「個人のミスや精度の低さは、監督の采配のせいではない」
ーービルドアップが単調でロングボールと大迫勇也のポストプレーに頼る場面が多く見られました。
「立ち上がりの15分くらいは相手のディフェンスラインの背後を突破できたシーンが何度かあったけど、そのチャンスを決められなかった。大迫もゴールを奪える匂いがなかった点では、あまり良くなかったと言える。センターFWとしてそれは問題だよ。
個人的には絶対、岡崎(慎司)の方がいいんじゃないかと思っている。彼の前線からのプレッシングはトップレベルだし、相手のDFを自由にさせない力がある。そして、岡崎はワンチャンス・ワンゴールができる選手。ワールドカップで日本がたくさんのチャンスを作れることはないと思うし、彼のような決定力を持った選手が重要。僕が監督だったら岡崎をメンバーに選ぶ。でも、ハリルホジッチ監督がどうするかは少しわからないところがあるね」
ーー久しぶりの日本代表復帰だった本田のプレーはいかがでしたか?
「落ち着いてプレーできていたけど、大きな貢献はできなかった。でもロシアへ行く23人のメンバーに彼がいる価値は必ずある。この試合は親善試合で、主力に負傷者がいたことでチーム全体がスムーズでなかったとはいえ、個人のちょっとしたミスや精度の低さは、監督の采配のせいではない。もし前半のチャンスを決められていたら勝っていた試合だと思う。だからハリルホジッチ監督は試合後あんなにがっかりしていたんじゃないかな」
ーーウクライナ戦では日本代表にどんなプレーを期待しますか?
「もっと決定的な姿勢を見たい。チャンスがある時にしっかり決める。そしてリードを奪ったら、しっかり試合の流れをコントロールすること。今日は引き分けられたけど、全体的にパフォーマンスが良くなかった。もしマリ戦の課題がウクライナ戦で修正できれば、それはいいことだと思う。僕は個人的に、この2試合は結果よりも内容の方が大事だと思っているからね」
▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパー!のJリーグ番組出演も。
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