長友佑都は日本代表の現状に強い危機感を抱いている【写真:Getty Images】
現地時間23日、日本代表は国際親善試合でマリ代表と対戦して1-1で引き分けた。
前半からチャンスこそ作った日本だが、決めきれないままマリに先制を許す。前半終了間際の44分、DF宇賀神友弥が与えたPKをアブドゥライ・ディアビが冷静にゴールへ蹴り込んだ。
後半アディショナルタイムの94分に途中出場のFW中島翔哉が同点ゴールを奪って、なんとか引き分けに持ち込んだが、課題の残る一戦となった。
左サイドバックとして先発フル出場したDF長友佑都は「この試合では正直、ワールドカップに勝つのは厳しい」と、マリ戦のチームのパフォーマンスを切り捨てた。
「今日の相手も個人技もあって、スピードもあって、いい選手ももちろんいましたけど、正直セネガルやコロンビア、ポーランドはすべてのレベルが違うので、ここで苦戦しているとワールドカップは本当に厳しい結果になるんじゃないかと思う」
もちろん自戒も込められているが、セネガルよりも実力の劣るマリに終盤までリードを許していた展開は決して満足できるものではない。長友は「相手が守りやすい状態を自分たちで作ってしまっている」とビルドアップ面での拙さを指摘する。
「単調になりすぎていた。結局後ろでは繋いでいるけど、怖くもなくて、逆にちょっと危なっかしくて、結局ロングボールに頼るしかない。本番はもっと相手のフィジカルのレベル、1対1のレベルが高いので、あのボール回しだと結局かっさらわれてショートカウンターを食らうんじゃないかと。しかもスピードがえげつないんでね。ボールを持った時の組み立てのところはチームとして修正すべきだと思いました」
ロシアワールドカップ本大会で対戦するセネガル代表は、各ポジションにマリ代表以上の実力者を揃え、個々のフィジカルもチームの組織戦術のレベルも段違い。マリに勝てなければ、セネガルに勝つことなど夢のような話になってしまう。長友の「ワールドカップに勝つのは厳しい」という言葉が、今の日本の現実を最もよく捉えているのかもしれない。
(取材:植田路生【リエージュ】、文・構成:編集部)
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