課題は活動量。W杯に向けた“ソリューション”になるか
小林と縦のコンビを組むチャンスがあれば、そうしたスペシャリティを生かせるはずだが、周囲の選手の特徴に応じて組み立てやパスを柔軟に使い分けるのが大島の持ち味でもある。例えばリオデジャネイロ五輪でともにプレーしていた、A代表初選出の中島翔哉と一緒に出場すれば「翔哉はどっちかというと足元でもらうのが好きだと思いますし、その方が特徴も出るとは思うので、早めにつけてあげてサポートしたい」と語る。
多彩なパスや卓越したプレービジョンを発揮できればパスの出し手としてはマリ相手にも存在感を示すことができそうだが、高い位置への攻め上がり、飛び出しからのミドルシュートなど、直接的にフィニッシュに絡むプレーも攻撃面でもう1つのテーマとなる。中盤からの飛び出しでゴールを狙うプレーはライバルの柴崎や森岡も得意としており、今回は怪我で招集外となった香川真司のスペシャリティでもある。
「最初集まった時には(監督から)筋肉系は気をつけてと言われましたけど、あとはもう少しスプリントの回数を増やすように言われました」と大島。攻守の切り替えの意識に成長が見られる中、そこから必要に応じて縦への飛び出し、そこからの素早い戻りといったところで活動量を増やすことがボランチやインサイドハーフでの起用に大きく影響してきそうだ。
攻撃的なキャラクターを持ちながら、高い位置のボール奪取などディフェンスで貢献できる大島が日本代表に定着し、本大会に向けたレギュラー争いに割って入る活躍を見せることができれば、攻撃的MFと組ませるなど、より攻撃のクオリティアップを狙った中盤の構成をオーガナイズしやすくなる。それがチームの得点力を引き上げるソリューションにもなりうるだけに、マリ戦での大島のパフォーマンスには要注目だ。
(取材・文:河治良幸【リエージュ】)
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