国際サッカー評議会(IFAB)テクニカルダイレクター兼イングランドサッカー協会(FA)審判委員長のデイビッド・エルレー氏【写真:青木務】
2018シーズンより試験導入に向けた準備を開始するVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)に関するメディア説明会が22日、都内で行われた。
原博実Jリーグ副理事長は「今回のワールドカップのVARがどういう風に行われるか。あるいは、世界のリーグで行われているところもあるので、情報を十分に収集しながら色々な準備を、Jリーグとしてもしていきたいと思います」と話す。
そして、国際サッカー評議会(IFAB)テクニカルダイレクター兼イングランドサッカー協会(FA)審判委員長のデイビッド・エルレー氏は、VARについてこのように語っている。
「ゲームの流れの中で最小限の介入をし、VARが使われた時には最大限の成果をあげることが目的。重要なポイントは、ゲームを左右する事象に対してのみ使用される。VARのシステムというのは、明らかに間違っている、あるいは不公平なものを正すということ」
そして、「全ての判定において100%の成果を達成する目的のためではない」とも述べる。
「VARのシステムは完璧なものではない。なぜかというと、フットボールというものは常にグレーエリアというものが存在している。より多くのエラーを排除しようという試みは、試合がより長く中断してしまう。そうなってしまうとフットボールが変わってしまう」
あくまでも、得点など試合の行方を左右する事象でVARが活用されることになる。そして、エルレー氏は以下の点を強調した。
「これから申し上げることは非常に重要なことだが、最終的な判定を下すのはVARではない。常に主審が最終判定を行う。主審が判定できる手助けをする。最初の判定が明らかに間違っていた場合のみ、その判定を変えることになる」
JリーグでもVARは導入されるのか。その際は、どのような場面でこのテクノロジーが使用されるのか、多くの人が知っておく必要があるだろう。
(取材・文:青木務)
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