現場の長としてあるまじきセビージャ戦後の態度
マンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ監督は、セビージャに衝撃の敗北を喫した後も相変わらず不遜だった。
「別に目新しいことではない。私もポルトを率いていたとき、レアル・マドリードの監督だった当時、ここオールド・トラッフォードでユナイテッドを下している」
「選手たちはユナイテッドのレベルに達するため、ユナイテッド特有のプレッシャーに打ち克つため、日々成長しなければならない」
反省の弁は一切なく、無味乾燥な内容に終始した。また、みずからが着任する前の補強プランにも言及した。
「去年、何人の選手がユナイテッドを去り、どこでプレーしているのか、君たちメディアを知っているのか。フットボールには負の遺産というものがある」
いまさら殊勝になれとはいわない。嫌味なほどの自信がモウリーニョの持ち味であり、魅力でもある。しかし、敗因を分析せず、「負の遺産」と前任者に責任転嫁するなど、現場の長として容認できる態度ではなかった。
たしかに、アンヘル・ディ・マリア(現パリ・サンジェルマン)やハビエル・エルナンデス(現ウェストハム・ユナイテッド)を放出したルイス・ファン・ハール前監督の人事には世界中が疑問を抱いたが、モウリーニョもマルワン・フェライニを重用しているではないか。ユナイテッド・サポーターにすれば、背が高いだけのMFこそ、デイビッド・モイーズ元監督(現ウェスト・ハム)による負の遺産である。
1-2で敗れたセビージャとのセカンドレグも、ボールロストしても全力で追わないフェライニではなく、攻守の切り替えが素早いスコット・マクトミネイを中盤センターで起用していれば、試合内容はガラリと変わっていたと断言できる。