プロ2年目でJ1デビュー。U-23チームで経験積んだ岡崎
FC東京U-15深川からU-18への昇格を果たした岡崎にとって、FC東京がU-23チームをJ3に参戦させた2016シーズンはサッカー人生のターニングポイントになった。
同じくU-23チームを発足させたガンバ大阪、セレッソ大阪がトップチームと別々の練習時間を設定していたのと異なり、FC東京は全選手が同じ練習を消化。週末のリーグ戦を前にトップチームとU-23チームとに分かれるシステムを採用した。
もちろん、ベンチ入りメンバーはトップチームが優先される。必然的に人数が足りなくなるU-23チームでは、U-18に所属したまま公式戦に出場できる2種登録選手が数多く抜擢された。
能力ある選手はどんどん上のカテゴリーを経験させるーーJ3の舞台を活用したFC東京独自の育成プランのなかで急成長を遂げたのが、2016シーズンの開幕戦からセンターバックとして起用された岡崎だった。
もっとも、SC相模原のホームに乗り込んだJ3開幕戦前は、期待よりも不安のほうが大きかった。実際に0‐1で敗れた試合後には、FC東京U-23を率いた安間貴義監督(現FC東京トップチームコーチ兼U-23監督)は、苦笑いしながら岡崎に対してこんな言葉を残してもいる。
「前日に初めて練習したときはディフェンスラインを上げるのも、ポジションを修正するのも遅かった。慌ててラインコントロールの練習をさせましたが、今後の彼に可能性を見つけられたことは、FC東京の将来にとってもすごく大切だと思っている。今日のプレーを見れば次の試合も出場させたいし、スタンドで見ていた(FC東京の強化関係者の)方々も可能性を感じたんじゃないかと思います」
最終的に岡崎は2種登録のまま2016シーズンのJ3全30試合のうち、累積警告で出場停止となった1試合を除く29試合で先発。2590分間を数えたプレー時間はU-23チームのなかで最長を数え、前出の鈴木、身長197cmのサイズを誇るGK波多野豪ともに、トップチームへの昇格を勝ち取った。
背番号をいま現在の「29」に変えた昨季はけがで出遅れたものの、6月になって復帰。再びJ3の舞台で経験を積んで力を蓄えた。迎えた今季。長谷川健太新監督のもと、YBCルヴァンカップの予選リーグで2試合続けてフル出場し、リーグ戦の初先発を射止めた。
センターバックにはハリルジャパンに復帰した森重真人、長谷川監督からキャプテンに指名された韓国代表のチャン・ヒョンスがそびえる布陣のなかで、岡崎は身長181cm体重74kgと高さと強さを併せ持つ右サイドバックとして、リオデジャネイロ五輪代表の室屋成を押しのけてチャンスを得た。
「室屋選手は憧れの存在というか、テレビで見ていた五輪に出ていた選手なので。正直、肩を並べているという感覚もありませんけど、室屋選手にはない特徴を自分は持っているし、室屋選手には室屋選手の特徴がある。自分らしさを上手く出せる形を作っていければ、違う特徴同士で戦うことができるので、それを上手く表現しながら監督に評価してもらえるような選手になりたい」