中島はハリルジャパンの競争に勝てるか。いきなり勝負の2連戦
原口に次いで重用されていた乾貴士(エイバル)もハリルジャパンではノーゴール。今季リーガ・エスパニョーラでも4得点にとどまっていて、フィニッシュの部分では中島を下回っている。それを問題視したからこそ、指揮官はあえて乾を外したのだ、この非情な決断こそ、中島への期待の表れに他ならない。このチャンスを逃す手はない。
今回ハリルホジッチ監督は秘蔵っ子・宇佐美貴史(デュッセルドルフ)を復帰させている。彼は2月から3月にかけてクラブで4試合連続ゴールを奪う大活躍を見せていて、確かにパフォーマンスが目覚ましく改善しているが、ここ最近は右サイドでのプレーがメインとなっている。久しぶりに左サイドで出場し、マリやウクライナのような慣れない相手と対峙すると戸惑いを覚えるかもしれない。
その宇佐美に比べると、ポルティモネンセで日頃から左サイドを担っている中島はスムーズに普段通りのプレーを出せるメリットがある。「左の方がいつもやっているのでやりやすい」と本人も自信をのぞかせている。守備力や球際の激しさ、運動量といったオフ・ザ・ボールの部分にはまだまだ改善の余地があるのは確かだが、今回は長い時間チャンスを与えてもいいのではないだろうか。
「スピードっていうのは日本にいた時から意識してましたし、そこを監督が見てくれてたのは嬉しい。そういうのを日本代表でも出していけたらいい。技術もスピードも必要だと思うんで」と中島自身も代表に何をもたらしたらいいかしっかりと頭で理解している。
それをピッチ上で本当出せるのか。チームが一番求めているゴールという結果をもたらすことができるのか。今こそ中島翔哉がポルトガルでの成長を力強く示すべき時だ。
(取材・文:元川悦子【リエージュ】)
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