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香川真司 7年前

香川不在でドルトムントは不安定に。指揮官も求める背番号23の重要性

text by 本田千尋 photo by Getty Images

問われる香川の重要性

香川真司
ボルシア・ドルトムントの香川真司【写真:Getty Images】

 その意味では、やはり香川はチームに必要と言えるだろう。29歳になりサッカー選手として脂の乗った時期にある背番号23は、もはやドルトムントでもベテランの域に差し掛かっている。

 場数を踏んだからこそ持ち得るゲームを見通す力は、今のドルトムントの中盤に欠けているものだ。復帰すれば香川は、守備陣と攻撃陣を繋ぐリンクマンとして、重要な役割を果たしてくれるはずだ。

 またシュテーガー監督はELザルツブルクとの第2戦で、マリオ・ゲッツェを前半45分間だけでベンチに下げたが、理由を以下のように語っている。

「我々が見たかったこと、つまり整然としたパス交換、危険なポジショニングや裏を突く動き、それらは全く見られなかった」

 オーストリア人指揮官が挙げた「それらは」、まさに香川が試合で意識するところだ。

「整然としたパス交換」はもちろんのこと、アタッキングサードでの「危険なポジショニング」は、香川が常々こだわっていることである。

 また、マフムート・ダフートが状態を上げていることによって、香川の「裏を突く動き」もより一層、増えてくるかもしれない。U-21ドイツ代表は、中盤の深い位置で前を向き、ドリブルで前に進むことができる。ダフートのパフォーマンスがさらに安定すれば、香川も前線での仕事に比重を傾けることができるだろう。

 もちろん香川とて万能の存在ではない。シュテーガー体制が発足してから、試合毎に勝利を手繰り寄せようと奮戦してきたことは間違いない。

 だが、本人が「やはりチームというものにはエースが必要」とバチュアイの加入を歓迎したように、一人で何役も背負い切ることはできない。

 しかしこれまで記してきたように、チームに欠けているものを埋め合わせる重要なピースとして、今季もいよいよ大詰めを迎えるドルトムントの戦いに貢献してくれるはずだ。

 特に4月15日にはFCシャルケ04戦が予定されている。リハビリが順調に行けば“レヴィア・ダービー”には間に合うはず。

 これまでもそうだったように、永遠のライバルとの一戦で、香川は復活の狼煙を上げ、そしてロシアワールドカップに向けて号砲を響かせてくれるに違いない。

(取材・文:本田千尋【ドイツ】)

【了】

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