開幕3戦勝利なしで浦和レッズ戦へ
J1開幕戦から1分2敗。YBCルヴァンカップでの勝利こそあったものの、リーグ戦未勝利で迎えた18日の第4節・浦和レッズ戦は、横浜F・マリノスにとって大きな転機となる試合になっただろう。
浦和相手にボール支配率62%を記録し、パス成功率も86%と90分を通して主導権を握り続けることができた。これだけの数字をアジア王者とのアウェイゲームで記録し、守っては無失点。終盤にウーゴ・ヴィエイラが2試合連続となるゴールを奪って1-0で勝ち切った。今季のリーグ戦初勝利である。
試合後、アンジェ・ポステコグルー監督は「自分たちのサッカーができた。浦和のホームということで難しい試合になると思っていたが、ボールを支配し、チャンスを作り、そしてゴールも決められた。何より勝って選手たちが報われて非常に嬉しく思う」と選手たちを褒め称えた。
自分たちのサッカーを貫き通すうえで、浦和戦の鍵となったのは中盤の構成だった。これまでアンカー+インサイドハーフ2人という組み合わせで動きも固定されがちだったが、浦和戦ではセントラルMF2人+トップ下に近い形でスタートした。
とはいえ指揮官が「フォーメーションに関しては、あくまでスタートポジションなので、そこまで深くは考えていない」と語ったとおり、中盤の3人は流動的にポジションを変えながらプレーした。それこそが浦和戦の肝だったのである。
2人のセントラルMFを置く形は14日に行われたYBCルヴァンカップのベガルタ仙台戦からテストしていた。そして浦和戦から負傷していた喜田拓也が復帰する見込みだったが、前日練習の終盤に再び痛んでしまい起用が難しくなった。
もともとは喜田に加えて扇原貴宏、天野純を組み合わせる形が想定されていたところに、ダビド・バブンスキーが入る。浦和戦で採用された3人のユニットはほとんどぶっつけ本番状態だった。それでもしっかりと機能したところにチームとしての成長や戦術の浸透度の高まりがうかがえる。