「開幕戦に比べてもチャンスはかなり増えている」（東慶悟）

　2点目を奪って試合を決めることはできなかったが、相手に許したシュートはわずか2本とFC東京がペースを握っていたことは間違いない。「こういう展開で集中力が一瞬切れてしまうような時間帯やプレーがありがちだが、最後まで集中力を切らさずに戦ってくれた」と、長谷川監督は守備陣を称賛した。

　チームは、14日のJリーグYBCルヴァンカップ・アルビレックス新潟戦とほぼ同じスタメンで臨んでいる。サイドバックは小川諒也、岡崎慎という若手が務めた。

「若い選手も積極的に声を出していたし、ポジショニングも良かったので、今日は結果に結びついたのかなと」

　大森晃太郎はこう話す。また、東は2人のSBに対し「思い切ってやってくれ」と要求していたことを明かした。

「攻撃の時はどんどん上がってきて欲しいし、サイドハーフとしては上がってきてくれるとすごく助かるので。もっともっといい連係でやれればいいと思う」

　若い力が勝利に絡んだことで、これまでスタメンでプレーしていた選手たちも、うかうかしていられなくなっただろう。

「今日出ていないメンバーも、『やってやろう』という気持ちになっていると思う。もちろん、出たメンバーもいつ外されるかわからないという危機感を持って試合に臨むので。僕もそうだし、練習から常に緊張感を持ってやっていきたい」

　東が語るように、チーム内の競争は今後さらに激しくなっていきそうだ。

「まだ1勝だけど、ここからもっとチームも良くなっていくと思う。開幕戦とかと比べてもチャンスはかなり増えているし、それはチームが良くなっている証拠。守備も安定してきているので、このまま続けていければ」（東）

　FC東京は第4節にしてようやくリーグ戦初勝利を手にした。思い描いたようなスタートではなかっただろうが、この1勝はチームに活力を与えるはずだ。

　日本代表の欧州遠征のためリーグ戦は中断する。いい流れを継続させるには試合を重ねたいところだが、次節までの約2週間で万全の準備を整え、連勝を目指す。

（取材・文：青木務）

【了】