最後まで打開策を見出せず。EL敗退
第1戦とまるで変わらない光景がそこにはあった。脆弱なポゼッションで敵の固い守備ブロックを崩せず、フィジカルコンタクトに苦しむ。良いタイミングでプレスを掛けられ、高い位置で奪われてショートカウンターを食らう。ビュルキの働きがなければ、前半だけで試合が終わっていた可能性は高かった。
さらに後半に入る前に、ドルトムントはトラブルに襲われる。ロイスが内転筋の問題で離脱。シュテーガー監督は低調のゲッツェも下げて、マキシミリアン・フィリップとアレクサンダー・イサクを同時に投入する。布陣は[4-4-2]に変更した。
前半に比べれば、シュートまで持って行く場面は増えた。後半が始まって15分程は敵のカウンターに苦しみながら、なかなか状況を打開できなかった。だが70分を過ぎると、70分、72分、73分と立て続けに決定機を作り出している。
それでも[プレッシング+カウンター]という姿勢をブレずに貫くザルツブルクから、最後までゴールを奪うことはできなかった。終了間際の92分にも爆発的なカウンターを許し、ムナス・ダブールにバー直撃のシュートを食らったドルトムント。第2戦は0-0のドロー終わった。
2戦合計のスコアは1-2。オーストリア王者がELのベスト8に駒を進めた。
怪我人や病人に悩まされ、戦術的にも一貫性が見当たらず、最後まで噛み合わなかったドルトムント。
志半ばにしてELの舞台から姿を消した。
(取材・文:本田千尋【ドイツ】)
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