中島翔哉(左)は14年ブラジルW杯でのアルジェリア代表MFリヤド・マフレズ(右)のようになれるか【写真:Getty Images】
日本サッカー協会(JFA)は15日、今月23日のマリ戦と同27日のウクライナ戦に向けた日本代表メンバーを発表した。
ロシアワールドカップ本大会まで約3ヶ月。残された時間の中で最終メンバーを選ぶための作業に入っている中、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は今回の欧州遠征に「今必要な選手を選んだ」と説明した。
初招集となったのはポルトガルで大ブレイク中のFW中島翔哉である。ポルティモネンセでリーグ戦9ゴール6アシストと目立った結果を残している23歳について、指揮官は「本当にたくさんの試合に出ている。得点もアシストもしているし、ドリブラーでこんなに俊敏で爆発的なものを持っている選手は日本になかなかいない」と高く評価していた。
中島は長期間にわたって追跡したうえで初招集に踏み切ったという。「本大会では10回もチャンスはないと思う。2、3回のチャンスで1点をとらなければならない。そういったことで難しいところで点を取れる選手を探している」と語ったハリルホジッチ監督は、「個人で打開できる選手」の重要性を訴えた。
「コロンビアには誰がいるか、ハメス・ロドリゲスやファルカオがいる。ポーランドには(ロベルト・)レバンドフスキに加えてナポリの(アルカディウシュ・)ミリクもいる。セネガルには素晴らしい(サディオ・)マネという選手がいる。そういった違いを生み出せる選手が日本にも必要。そういった選手を我々はテストして探していかなければいけない」
ワールドカップまで3ヶ月という時期に新たな選手をテストすることには当然リスクも伴うが、ハリルホジッチ監督には「経験」がある。それはアルジェリア代表を率いていた前回4年前のブラジルワールドカップ直前、当時まだイングランド2部だったレスター・シティで花開き始めたばかりのリヤド・マフレズの抜てきだ。
もちろん「いきなり残り1ヶ月で見つかるわけではない。本当の本当の最後にマフレズを見つけたが、これは本当に幸運でした」と、無名選手の抜てきが批判を受けながらも成功したことが運に恵まれたとも認めている。それでも「1対1で相手を抜ける選手はなかなかいないので、これからも探していきたい」と指揮官は語る。
マフレズがアルジェリア代表デビューを飾ったのはブラジルワールドカップ直前の2014年5月31日だった。そこから大会のハイライトのひとつとも言えるアフリカの雄の躍進に欠かせない存在へと急上昇した。
残された時間はわずかだが、「違いを生み出せる選手が必要」と訴えるハリルホジッチ監督が最後まで追い求めるのは、マフレズの“幻影”か。中島が期待に応えられるか、負傷によって離脱している齋藤学のようなドリブラーの復活を待つのか、あるいはマフレズと同様にまだ見ぬ逸材の出現を待っているのかもしれない。
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