ポグバは輝きを取り戻せるか
そして彼らはみんな、現状は一過性のことだと考えている。将来的には、ポグバの持つ高い潜在能力が開花して、ユナイテッドに有益に働くというのが一般的な意見である。加えて、先週にはポグバの代理人であるミノ・ライオラも、モウリーニョ監督同様に2人の関係について「まるで問題ない。ポールはマンチェスター・ユナイテッドでトロフィーを勝ち取りたいと考えている」と全面否定している。
だがその一方で、今後ポグバがオールド・トラフォードで輝くためには、その才能を最大限に引き出せる起用法を見つけなければならない。とりわけサンチェスが入ってからのユナイテッドはバランスが非常に悪く、この29歳がポジションも周囲を気にせずに何の意図もなく動き回るため、ポグバが入るスペースと重なる光景が非常に多くなっている。
サンチェスが加わる前は3ゴール9アシストしていたポグバだが、チリ代表FW加入以降は6試合でプレーしてチャンスを一度しか演出していないというスタッツも出ているくらいである。
前述のクリスタル・パレス戦で、ネビルは「モウリーニョのチームで、これほど効率の悪いサッカーをするチームは見たことない。チームとして機能するクリスタル・パレスに対して、ユナイテッドはバラバラの個でミスばかりして正反対のチームだ」と話していた。
さて、モウリーニョ監督は今後、チームを一丸として引っ張り、ポグバやサンチェスにとって、最適なシステムを見つけ出すことはできるのだろうか。
そして、実力を発揮させることはできるのか。それとも、目を覆いたくなるようなアンチフットボールを続けて、強力スカッドを使いこなせないままのか。今後の戦いぶりに注目したい。
(取材・文:松澤浩三【イングランド】)
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