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120億円ポグバがマンUでレギュラーを外された理由。不仲説より深刻なモウリーニョとの相性

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

負傷離脱で狂い始めた歯車。新加入選手の登場でさらに苦境へ…

 しかしポグバが大腿部を負傷して第5節から6週間にわたってチームを離れていたその間に、ポルトガル人指揮官は自身が信頼するサッカースタイルに回帰。第8節のリバプール戦で得意とするアンチフットボールを繰り出して以来は、守備的で退屈なフットボールに終始する機会が多くなってしまった。

 ダイナミズムが最大の武器のフランス代表は、中盤の選手ながら守備を苦手とし、より攻撃的なチームでこそ実力を発揮できるタイプ。それだけにチームのプレースタイルの変更はポグバにとっては逆風となった。それでも11月中旬に戦列復帰してからの2ヶ月間は、まだまだ物足りなさが残ったものの、一定の存在感を示していた。

 だが1月22日にアレクシス・サンチェスが加入して以来、ポグバのパフォーマンスは低下の一途を辿っている。サンチェスのリーグデビュー戦となった同31日のトッテナム戦では、新加入のチリ代表だけではなく、ピッチ中央でコンビを組んだマティッチとのプレーもまるで噛み合わず、逆にスパーズのムサ・デンベレとエリック・ダイアーの力強いデュオに中盤を牛耳られた。

 結局ポグバは0-2で負けたこの試合で63分に途中交代すると、翌節のハダースフィールド戦ではベンチスタート。2月11日のニューカッスル戦では先発復帰をしたが、再び精彩を欠いて66分に交代を命じられている。ハダースフィールド戦後、ポグバを外した理由を聞かれたモウリーニョ監督は、次のように説明した。

「罰則のためではない。この試合の特性を考えた結果、チームを変えた。戦術的な理由だ。シンプルにプレーしてスペースを作る。そのために(スコット・)マクトミニーを選んだ。ポールは途中出場して素晴らしい態度でプレーした。彼が世界でも有数な才能豊かなMFなのは間違いない」

 しかし、同21日のチャンピオンズリーグのセビージャ戦でもポグバが先発から外されると、多くのマスコミはモウリーニョ監督とポグバの不仲説を書き立てた。例えば、フランス人のサッカーライターのジュリアン・ロレンは、テレビやラジオのいろいろなサッカー番組には出演しては、「子どもじみていた」とモウリーニョ采配への批判を繰り返した。

「ニューカッスル戦では、苦手とする2枚の中盤センターのポジションにポグバを入れて悪いパフォーマンスをさせた。だがセビージャ戦では、わざわざ中盤を3枚にしながら罰を与えるかのようにポグバを先発させなかったんだ。馬鹿げている

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