長期的なチーム作り。素材を発掘し磨いて世界へ
今回のパラグアイ遠征は1997年および1998年生まれの選手に限定したため、久保や菅原をはじめとする高校生や、同時期にインドネシア遠征を行うU-19代表世代は招集対象外となった。
そして、そのU-19代表にもYBCルヴァンアップで2ゴールを挙げたDF荻原拓也(浦和レッズ)、常勝軍団・鹿島アントラーズの開幕スタメンを射止めたMF安部裕葵、高卒ルーキーながらファジアーノ岡山の最終ラインでフル出場を続ける阿部海大が名前を連ねている。
彼らもいずれは、東京五輪を見据えたラージグループのなかに入ってくる。アジア予選を免除される開催国だからこそ可能になる、長期的視野に立った大胆なチーム作りの先に待つ未来を、森保監督も手応えを深めながら見つめている。
「東京五輪へ向けて代表でプレーできる選手をできるだけ多く把握していきたいというところで、私を含めたスタッフ全員で広く見ている段階です。いまは少しでも多くの選手を発掘していき、招集できた選手がレベルアップできるような経験を積んでもらい、本大会が近づいてチームのコアな部分を作っていくときに、広く見たことが大きな成果として現れるような土台作りをしていきたい」
昨年12月のM-150カップ2017(タイ)、今年1月のAFC U-23選手権(中国)に続く、森保ジャパンとして3度目の活動となるパラグアイ遠征には今月19日に出発。現地時間21日にU-21チリ代表、23日にU-21ベネズエラ代表、25日にはU-21パラグアイ代表と対戦する。
経由地のヨーロッパでは、森保監督の強い要望を受けたJFAの技術委員会の交渉のもと、初めて招集された前述の伊藤もドイツから合流する。トータルで30時間を超える長距離移動と5日間で3試合に臨む過酷なスケジュールのなかで、心技体をさらに成長させていく。
(取材・文:藤江直人)
【了】