東京五輪世代がJリーグでも台頭
確率は何と94%に達している。日本サッカー協会(JFA)から13日に発表された、南米パラグアイ遠征に臨む23人のU-21日本代表メンバー。そのなかで17人を数えるJクラブ所属選手のうち、実に16人が開幕したばかりの今季の公式戦でピッチに立っている。
しかも、第3節までを終えた明治安田生命J1リーグで、7人が3試合続けて先発の座をゲット。DF板倉滉(ベガルタ仙台)、立田悠悟(清水エスパルス)、MF市丸瑞希(ガンバ大阪)、三好康児(北海道コンサドーレ札幌)の4人がフル出場を続けている。板倉と立田は勝利につながるゴールまで決めた。
所属クラブでコンスタントに試合に出る。それも高いレベルで、なおかつプレー時間が長いほど、2年後の東京五輪の出場資格をもつ1997年1月1日以降に生まれたホープたちの成長が促される。
都内で記者会見に臨んだU-21日本代表を率いる森保一監督は、日本サッカー界のなかで力強く脈打ちつつある理想的なサイクルに、表情を綻ばせながら「非常に大きな財産になっていくと思う」とこう続けた。
「選手個人にとっても、Jクラブにとっても、そして代表チームにとっても、若い年代の選手たちがJリーグの公式戦の場で経験を積んでいること、現段階で自分のポジションを獲得して、それを維持するためにプレーし続けることができているのは、非常にいいことだと思っています。
そして、代表活動において我々のチームに招集させていただいて、短い期間のなかでいい経験を積んでもらって、さらに成長してほしいという思いももっています。大切なのは日常のなかで、どれだけパフォーマンスをあげていけるか。こういう点にも、代表の経験からつなげてもらえれば」
JリーグとJFAが長く抱えてきた課題のひとつに、若手の育成があった。たとえば2008年には、JFAの犬飼基昭会長(当時)がヤマザキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)を、23歳以下の大会に変更してはどうかと提案。Jリーグの鬼武健二チェアマン(当時)と対立したことがあった。