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ついに開花した堂安律。急成長で欠点克服、進化する19歳がハリルJの切り札に?

ロシアワールドカップまで約3ヶ月。徐々に日本代表メンバーは固まりつつあるが、まだ招集されていない選手たちの中にも目覚ましい成長を遂げ、虎視眈々とチャンスを狙う者がいる。開幕直後の停滞が嘘のような驚異的な進化を遂げ、オランダ1部のフローニンゲンで中心選手となった20歳の堂安律はロシアの地で日本の切り札になれるだけの巨大なポテンシャルを開花させつつある。(取材・文:中田徹)

text by 中田徹 photo by Getty Images

迷いがあった開幕直後。ぶつかった欧州の壁

堂安
堂安律はフローニンゲンで苦しみながらも成長を続けている【写真:Getty Images】

 欧州挑戦1年目となった今季、オランダ1部リーグ開幕戦でスタメンデビューを果たした堂安律だったが、思うようなパフォーマンスを発揮できず、第2節のアヤックス戦はベンチに座ったままだった。後に堂安は「開幕戦は、ただただ緊張してました」と振り返っている。結局、第6節までは試合に出ることが出来なかった。

 冬にも一度、堂安には苦しい時期があった。第14節のADOデンハーグ戦で今季2ゴール目を決めた堂安だったが、実際にはボールタッチのフィーリングが悪く、調子が下り坂であるのを感じていた。そして豪雪の中で行われた第15節のローダJC戦(12月2日)で調子を完全に落とし、第17節のエクセルシオール戦は発熱で休むことになった。

 今季のフローニンゲンは、なかなか思うようなサッカーが出来ず、堂安も守備に奔走する時間が長かった。「このチームに、果たして自分は合うのかな……」と思ったこともあったという。
 
 壁にぶつかるごとに、堂安は強くなっていった。第27節を終えて、堂安が決めたゴールは6つ。この数字は、ミムン・マヒの7ゴールに次ぐ、チーム2位タイだ。今やフローニンゲンの攻撃は、堂安とマヒの2人に頼っている。

 夏のプレシーズンマッチで、スペインのグラナダと戦った後、堂安はこう自己分析していた。

「今まで自分は相手を跳ね除けて、ゴリゴリ行けた。しかし、今日の相手は腕が強く、逆に跳ね返されてロストした。あのワンプレーが『これが強さか』と感じました。ただ、これまで自分は“上の世代”でやることが多かった分、最初は出来ないことがあるけれど、慣れるスピードが速いタイプなんです。だからまず、試合に出ることに意味があると思う」

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