井手口移籍の余波。指揮官は若手を積極的に起用
クルピ監督の就任が決まった後に、ハリルジャパンでも主軸に定着した21歳の井手口陽介がイングランド2部のリーズ・ユナイテッドへ完全移籍。現在はラ・リーガ2部のクルトゥラル・レオネサに期限付き移籍している、中盤の若き将軍に代わる効果的な補強は残念ながら行われなかった。
フロンターレ戦後の会見で、クルピ監督は井手口と、故障で開幕戦から戦線離脱中のベテラン、MF今野泰幸の不在が攻守両面で精彩を欠く一因になっていると指摘した。
「最もバランスを欠いているのは中盤だ。井手口の移籍と、コンちゃん(今野)がいないこともあってバランスがまだ取れていない。本来あるべき攻撃力を出せていないのも、中盤のバランスの悪さからきていると思っている」
フロントがクルピ監督を招へいした理由は、香川真司(ボルシア・ドルトムント)や柿谷曜一朗、南野拓実(ザルツブルク)らを育て、横浜F・マリノスでくすぶっていた乾貴士(エイバル)を覚醒させた、セレッソ時代に発揮された育成力に期待を託したからだ。
ガンバの山内隆司代表取締役社長も、若手を育てながらタイトル奪還も目指す、という難しいミッションを与えているとフロンターレ戦後に明かしている。
「ハードルは高いと思いますが、やれると信じている、ということ。ファンやサポーターの方々に悲しい思いをさせているのは重々承知していますが、少し時間がかかるけれども辛抱するしかない。クラブと監督との信頼関係は揺るぎないものがある、まったく微動だにしないと言っていい」
65歳のブラジル人指揮官は実際、積極的に若手を起用している。ボランチの軸に指名されたのは、ユースから昇格して3年目の20歳・市丸瑞希だった。名古屋グランパスとの開幕戦では東福岡高校から加入した高卒ルーキーの福田湧矢、鹿島との第2節では浦和レッズから加入した24歳の矢島慎也とコンビを組ませた。