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Jリーグ 7年前

広島・川辺駿はハリルの目に留まるか。日本代表DFと互角のバトル、今J1で最も「ノッてる」男

text by 青木務 photo by Getty Images

マッチアップで感じた日本代表CBのパワー

「やっぱり鹿島は気を抜けない相手だなと今回も思った。去年も感じたけど、ずっとハイテンションでやらないといけない。でも、そういう姿勢で試合に臨んだからこそ、前半で自分たちが2点くらい取れるチャンスがあった。そこでポンポンと点が入っていれば、鹿島相手でももっと自分たちのペースでできたかなと思う」

 先制後に広島はPKを与えており、守護神の林卓人がストップしなければ同点に追いつかれていた。試合が振り出しに戻っていれば鹿島にはさらに勢いが生まれただろう。結果として勝ち点3を手にできたが、チームは満足していない。川辺も同じ気持ちだからこそ、前半のうちにスコアを動かせなかったことに悔いが残った。

 パトリックを起点にカウンターを仕掛ける場面を作っており、川辺も攻撃を先導している。特にハーフタイム直前の2つのプレーが印象的だ。

 ひとつめは44分のシーンだ。速攻からパトリックのパスを受け、右サイドでキープする。駆け寄ってきた昌子源の圧力にバランスを崩しながら、右足ヒールで相手の股下にボールを通した。日本代表の主力CBを抜き去ることはできなかったが、閃きを見せた。

「もう一個、行きたかったっすね。ぐっと前に出られれば自分がそのまま突破できたし、相手としては倒すしかなかったと思う。昌子選手が強いんでね。パト(パトリック)でも負けることがあったくらいだから。あの場面はとりあえずキープして、でもめっちゃ強いからどうしようと思って、力を利用して前に出ようって。もうちょっとだった」

 このプレーを振り返る川辺の口ぶりは、やや興奮気味だった。日の丸を背負う国内最高レベルのディフェンダーのパワーに直面し、それでも果敢に打開を試みた。最後は行く手を阻まれてしまったが、充実感がうかがえた。

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