湘南ベルマーレのチョウ・キジェ監督【写真:Getty Images for DAZN】
明治安田生命J1リーグ第3節の最後の試合が11日に行われ、湘南ベルマーレと名古屋グランパスが0-0で引き分けた。
元ブラジル代表FWジョーらを補強して開幕2連勝と波に乗る名古屋と、終始互角の勝負を演じてスコアレスドロー。湘南は勝ち点1以上の自信を手にしたのかもしれない。試合後、記者会見に臨んだ湘南のチョウ・キジェ監督は「J1でのシーズンをずっとやってないのであまり説得力がないですけど…」と前置きした上で次のように述べた。
「リーグ戦が3試合ありましたけど、今までであれば(試合が)終わった後に『いっぱいいっぱいだな、これ以上いかないな』ということが多かった。今日の試合も含めて、『勝てたな』というたらればの話ではなくて『もっと俺ら出来るな』という感情が、今の選手たちのほぼ90%、95%を占めていると僕は思っています。それが勝ち点1よりもチームにとっての伸びしろかなと感じています」
J2からの昇格組という同じ立場ではあるが、チョウ監督は「名古屋さんは、誰が見てもタレント力がある」と、その強さを認めている。ゆえに「前半から我々は我々のナイフで彼らに攻めていこうと戦った」。
結果的にゴールにはつながらなかったが、武器でもあるショートカウンターで名古屋のゴールに迫る場面を何度も作った。一方で名古屋の迫力ある攻撃を完封した守備陣に対しても「名古屋さんに我々の陣内でボールを回されてやられそうな部分もありましたけど、そういう意味ではDF陣とGKもよく踏ん張ったと思う」と賛辞を送る。そして「前の選手も含めてのそういったチームの献身性が今日の結果につながった」と引き分けをポジティブに振り返った。
「結果だけ見ると0-0で、ゴールのない試合はとかく退屈だと言われますけど、今日の試合はちょっと違ったんじゃないかなと自分では思っています」
湘南はJ1開幕戦でV・ファーレン長崎に勝利し、第2節は昨季王者の川崎フロンターレと1-1のドロー、YBCルヴァンカップではサガン鳥栖を1-0で下し、今度は連勝中の名古屋と引き分けた。いまだ公式戦無敗。指揮官の言う「我々の道」をひたむきに歩む湘南は着実にJ1を戦い抜くための力をつけている。
【了】