フルアムを率いるスラヴィシャ・ヨカノヴィッチ監督がチェルシーの新指揮官候補に【写真:Getty Images】
アントニオ・コンテ監督の今季限りでの退任がささやかれるチェルシーだが、後任候補に意外な人物が浮上している。英紙『デイリー・メール』が報じた。
これまで前バルセロナ監督のルイス・エンリケなどビッグネームの名前がイタリア人指揮官の後任候補に挙げられていた。そのリストにフルアムを率いるスラヴィシャ・ヨカノヴィッチ監督の名前が加わる。
かつてユーゴスラビア代表としても活躍したヨカノヴィッチ監督は、チェルシーのOBでもある。キャリア晩年の2000年から2002年にかけて同クラブに在籍していた。ユーゴスラビア代表としても1998年のフランスワールドカップや2000年の欧州選手権に出場した。
指導者としては古巣でもあるパルチザン・ベオグラードを就任初年度からリーグ2連覇に導いたほか、タイのムアントン・ユナイテッド、ブルガリアのレフスキ・ソフィア、スペインのエルクレス、イスラエルのマッカビ・テル・アビブなどの指揮官を歴任して国際経験を積んだ。
最も注目を集めたのはワトフォードを率いた2014/15シーズンだろう。シーズン途中からチームの指揮を任されたヨカノヴィッチ監督は、ワトフォードをチャンピオンシップ(2部)2位に導いてプレミアリーグへ昇格させた。
しかし、契約延長交渉のもつれなどもあってプレミアリーグで指揮を執ることなく退任。その後ワトフォードにはスペイン人のキケ・サンチェス・フローレス監督がやってきた。イスラエルへ渡ったヨカノヴィッチ監督はマッカビ・テル・アビブをクラブ史上初のチャンピオンズリーグ本戦出場に導いた。
今季はフルアムをプレミアリーグ昇格が視野に入る位置まで引き上げている。就任初年度の2015/16シーズンは20位だった同クラブはヨカノヴィッチ監督の手腕によって昨季2部で6位までジャンプアップし、今季は現時点で4位、昇格プレーオフ圏内につけている。
現役時代にチェルシーの10番を背負ったこともある49歳に懸念されるのは、プレミアリーグや欧州の主要なトップリーグでの経験が乏しいことか。それでも異色の経歴を持つ叩き上げが古巣の監督に抜擢される可能性は十分にありそうだ。
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