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極東ロシアクラブを支える“東洋”の医学。世界一過酷でも…選手を惹きつける「家」の一体感

シリーズ:世界一過酷!? 知られざる極東ロシアサッカー text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki, Keisuke Goto

未だアウェイで勝利なし。ホームとの差は明らか

アレクセイ・ポドゥブスキー
SKAハバロフスクのアレクセイ・ポドゥブスキー監督(当時)。現在は同クラブのスポーツディレクターを務める【写真:後藤啓介】

 練習はそれほど厳しいメニューではなく、1時間半ほどで終了した。選手たちには笑顔も見られ、リーグ王者のスパルタク・モスクワ戦を控えていると思えないほど和やかなムードだった。こちらもチームと一緒に引き上げようとすると、アンフィノジェントフ氏に手招きされて1人の男性を紹介された。

 それはアレクセイ・ポドゥブスキー監督だった。地元出身で現役時代にSKAハバロフスクで公式戦400試合以上に出場したクラブのレジェンドでもある指揮官は、アシスタントコーチを経て今季からトップチームの監督に就任したばかりだった。

「やっぱりプレミアリーグは難しい。簡単ではないとわかっていたが、それでも厳しいリーグだと感じているよ。それでもここは私が育ったクラブで、このクラブで指導できるのを光栄に思っている」

 ポドゥブスキー監督は地元ハバロフスク出身で、まだクラブが「SKAエネルギア」と呼ばれていたソ連リーグ時代からSKAハバロフスクを知るからこそ、アウェイ遠征の難しさと対処法を知っているはず。そう思い、改めて世界中で話題になったそのテーマについて尋ねた。

「ご存じの通りロシアは東側と西側でかなりの時差があり、これが一番難しい。選手たちにとっても大きな悩みの種になっていると思う。毎週リカバリーに全力を注いでなんとか頑張っているよ。特別な努力をなにかするというよりも、もはやトレーニングすることがリカバリーみたいになっているかな(笑)。やはり選手たちにとって時差ぼけに対応するのは難しい。本当は選手たちにもっとリカバリーの時間を与えたいのだが、週末には次の試合があって、そのための準備もしなければならないから、十分な時間を与えられないのが現状だ」

 もはや慣れるしかないのかもしれない。それでも時差や移動による負担を完全になくすことは難しい。実際にSKAハバロフスクは今季のアウェイゲームで未だに1勝も挙げられていない。12月末までにアウェイで戦った10試合は2分8敗だった。

 2部リーグを戦っていた昨季もホームゲームで10勝6分3敗の好成績を残したのに対し、アウェイゲームでは5勝8分6敗と振るわなかった。

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