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極東ロシアクラブを支える“東洋”の医学。世界一過酷でも…選手を惹きつける「家」の一体感

シリーズ:世界一過酷!? 知られざる極東ロシアサッカー text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki, Keisuke Goto

世界一過酷な遠征を支えるのは東洋医学の力だった!?

ギオルギ・ナバロフスキ
ギオルギ・ナバロフスキは過酷な遠征を乗り越えるための秘訣を教えてくれた【写真:後藤啓介】

 この取材での目的である「アウェイ遠征の厳しさ」について、ナバロフスキに単刀直入に尋ねてみた。何か特別な対策をしているのか、あるいは何もしていないのか。SKAハバロフスクを知り尽くすジョージア人DFは語る。

「アスリートとして、毎回あれだけの遠征をするのは本当にきつい。それでも僕たちは常に競争力を保つために努力している。うちのクラブにはドクター2人とマッサージ師が常に帯同していて、彼らが僕たちのリカバリーに全力を尽くしてくれいている。彼らとは毎日コミュニケーションをとっているし、選手全員を全力で助けてくれる。実は僕たちは特別な薬を使っているんだ。中国の伝統的な薬でね。これがリカバリーには本当に効果絶大なんだよ」

 なんと日本でもなじみ深い“漢方薬”をコンディション調整に取り入れているという。「まあ、使うのはいつもじゃない、たまにだよ」とは言うものの、アジアの医学がSKAハバロフスクの「世界一過酷な遠征」を支えているのである。中国との国境に近いクラブならではなのかもしれない。

「もし日本にもSKAに興味を持ってくれるファンがいるなら、本当に嬉しいし感謝したい。もちろん日本だけじゃなく、世界中の皆さんにこのクラブについて知ってほしい。機会があれば、日本に僕たちの姿を見せに行きたいね。モスクワよりも近いから(笑)。そしてぜひ日本の皆さんにも、僕たちの街ハバロフスクとこのクラブを見に来てほしいと思っているよ」

 そう言って、ナバロフスキは練習に戻っていった。あとでわかったことだが、英語の通訳を務めてくれていた人物こそ、SKAハバロフスクを支える医師の1人だった。高いレベルの教育を受けている医師であれば英語を話せても不思議ではない。

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