「ここは家のよう」。ジョージア人DFが語るクラブ愛
ロシアは冬になると厳しい寒さと降雪によってピッチの管理が非常に難しくなる。そのためただでさえ維持管理に手間のかかる天然芝ではなく、人工芝を採用するスタジアムも多い。それは極東のハバロフスクだけでなく、モスクワなど西側に本拠地を置く一部のクラブにも当てはまる。
レーニン・スタジアムの人工芝は、確かに“フレッシュな”状態で、密度も濃く青々としていた。そこに練習中ながら、1人の選手が近寄ってきた。髭を蓄え、元イタリア代表のジェンナーロ・ガットゥーゾによく似た荒々しい風貌の小柄な男の名はギオルギ・ナバロフスキ。ジョージア代表としてロシアワールドカップ欧州予選にも出場した経験を持ち、アンフィノジェントフ氏を通じてインタビューを依頼していた選手だった。
彼にインタビューしたかったのには理由があった。それは今季がナバロフスキにとって3度目のSKAハバロフスク在籍だったからである。そして初めてのロシア・プレミアリーグでのプレーでもある。ナバロフスキは「最高の気分だよ。プレミアリーグでプレーするのは僕の夢だった」と語る。
昨季はギリシャとアゼルバイジャンでプレーした31歳は、なぜ過酷な環境と知っているSKAハバロフスクに戻ってきたのだろうか。
「初めてSKAに来たのは4年前だった。それから3度目、僕はジョージア出身だけど、このクラブを家のように感じている。もちろんここの環境は本当にきつい。でもそれは来る前からわかっていたことだし、プロとしてプレーする以上やらなきゃいけない。僕にとってフットボールは人生そのもので、ここでプレーしているからこそ代表にも選んでもらえるんだから」
SKAハバロフスクの練習はスタッフも総出でサポートする。監督やコーチ陣だけでなくトレーナー、医師などもグラウンドに出て選手たちと時間をともにする。